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<9/Ottobre(10月)/2003> a Matera vol.2<2003年10月9日(木)>

本日のお楽しみのプランツォ(ランチ)は、マテーラのガイドブックによく登場していたリストランテ、IL TERRAZZIONOへ。プーリア州名物の耳たぶ型手打ちパスタ、オレッキエッテを使った、マテーラ名物テガミーノが美味しいらしい。それを目指してまた岩の迷路を頑張って戻ります。美味しいもののた〜めならえ〜んやこ〜らと。

▲店は、サッソ・バリサーノ地区全体を眺める位置にあり、テラスからはいい眺め。でもテラスには誰もいなくてみんな店内に。つられて私も.....。内部はドーム状の天井で全体に石造り。この町はどこもやっぱりこういう造りなのかしら.....既に大勢の人で賑わっています。
右写真が、オレッキエッテ アル テガミーノ。ミートソースのグラタンと言ったところでしょうか。かなり日本人好みの美味しさです。オレッキエッテも特大サイズでボリューム満点。ふはふは言いながら、しっかり完食。あと、メニューにはなかったけれど、バーリの最初の夜に入ったお店で、みんながオリーブの実だけを山盛り美味しそうにつまんでいたのを思い出して、”インサラータ(サラダ)としてオリーブだけ下さい”って言ったら、ほんとのインサラータ(グリーンサラダ)が出て来ちゃいました。あぁ、私の会話力って一体....。2回目には写真の通り、オリーブだけを持ってきてくれました。ごめんね、シニョーラ。
オリーブをつまみに、ちょっと辛口の美味しい白ワインをいただく幸せ....。うふっ。

テガミーノが効いてお腹一杯。でもドルチェに何か食べてみたい。で、この辺り名物の焼き菓子であるらしいSTRAZZATEというのを頼んでみました。茶色いのは、アーモンドとチョコ、カカオ、砂糖などが入っていて一見さくっとしてそうだけど、むちゃむちゃ固い!! コーヒーやカプチーノにつけていただくとほろっと溶けて美味しいので、そもそもそうやって食べるのでしょう。カントゥッチみたいなものかな。。白い方はメレンゲと砂糖を固めたもので、かなり甘い。アクア(水)とカッフェでしめて13ユーロ(1,700円)。安い!

 IL TERRAZZINO SUI SASSI
Vico San Giuseppe,7 (ヴィットリオ・ヴェネト広場から東に300mほど)
あ、日本語メニューもありました!これにもびっくり。

さてさて、このおじちゃんは誰かと言うと、Vol.1で登場したお土産屋の主、ヴィート。イドリス教会に入る前に通った際、景色の写真を撮っていると、渓谷の対岸まで案内してあげるよと言われ、ランチの後14時半にここに戻っておいでということになってしまいました。まぁ、変な人には見えないし(それが危ないって)、対岸のティモーネ展望台には行きたいけど1人では無理と諦めていたこともあり、ちょっとラッキーかな、くらいの気持ちで応じたのでした。まさか、谷を歩いて渡るとは思いもせず.....。

道と谷の間にかかっている柵を越えて、あらあらという間にどんどん谷を降りていく彼。きゃ〜と思いながら必死でついていく私。道なき道を歩き、石を伝って川を越え、まるでサバイバルだ〜〜

▲でも、谷底に着いてふと振り返ると、サッシの町があんなところに!凄い迫力だぁーとしばし感動。反面、ここまで来たらもう行くしかないっと開き直る、心渦巻き状態の私。右写真は、谷底に生えていた木々になっていた実。とげとげがサボテンみたいで一見食べられそうにもないのだけど、ヴィートが鍵でむにゅむにゅ割いたかと思うと、開いて、食べてみろと促される。恐る恐る食べてみたら、熟した柿のような甘い実で、ちょっとびっくり。ちなみにヴィートは、子どもの頃からこの谷が遊び場所で、今も1人でよく来るそうな。どうりで脚が達者なはずだわ。

▲渓谷の途中には、小さな岩穴教会がいくつも残されています。ヴィートは教会自体を”マドンナ”と呼んでいました。本当に、岩を掘っただけの簡素なものですが、小さな礼拝堂やフレスコ画も鮮やかに残っていて、こうして放置されているのが勿体ないほどでした。当時の人々がグループ単位で教会を作り、岩の他には何もないこの地で、それぞれを心の拠り所にしていたのではないかと思います。また、岩壁の一部に貝の化石があったりして、太古の昔ここが海だったことも分かり、改めて自然の神秘に思いを馳せました。

谷を降り始めて2時間(ヴィートは往復で1時間と言った)。ちょうど、サッソ・カヴェオーソ地区と向かい合うように、対岸の上部に到着。ここからだと、初期の本来の洞窟住居がよく見えます。岩場の斜面を利用して、何層にもわたって掘られたまさに黒い洞穴たちが、皆じーっとこちらを見ているようで、寒々しささえ感じます。後世に、同素材の石を積んで地上に建てられた人工的な住居達との差がくっきりと分かれて見えて、これら岩窟住居の軌跡がよく分かります。それにしても、あちこち草木や枝ににひっかかって、腕も靴も傷だらけで、日陰もなくて暑いし、だんだんヴィートが図に乗って、カワイイカワイイとほっぺをつねつね、なでなでし出して閉口するし、こんなに素敵な場所に案内してくれたことには感謝するけど、ここに来て急に機嫌が悪くなる私。でも、彼についていかないとこの谷をまた降りて帰れない....。
帰りは最短ルートで道なき道を下って上り、5時に地上に戻れました。はぁ〜ちかれた....ヴィートは息ひとつあがってない。恐るべし。さらに、他の教会にも案内するよと言うヴィートの過度な親切を振り切ってホテルに逃げ帰りました(苦笑)。一応お礼に”ビールでも飲んで”と10ユーロ札を渡すと、すんなり受け取りました。まぁ、結果オーライ、かなり面白い体験でした。ヴィートほんとありがとうね。
既に空はそろそろ夕方の色と空気を放ちだし、朝、昼とはまた違ったサッシの表情が素敵です。鐘の音も、石で反響しやすいからか町中によく響いて、より感傷的な気分に。

日が暮れると、またサッシの町は様相を変えます。オレンジの街灯がライトアップも兼ねて、こんなにロマンチックに!しばし見とれて目が離せませんでした。
ヴェネト広場からCorso通り界隈には、どこから溢れてくるのか人人人で夜は大層賑わっていました。バーリもそうでしたが、ここも各お店はお昼休みの時間が3時間以上と長いけど、その分夜8時か9時くらいまで開いているので、ゆっくりお買い物も楽しめます。
でも、あまりにも疲れ切った私は、夕食も食べずに9時に就寝。ベッドから、窓の外の幻想的なサッシを眺めながら.....。