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<11/Ottobre(10月)/2003> a Alberobello <2003年10月11日(土)>

あっという間に最終日。今日も、”白い町”巡りにふさわしく雲ひとつない快晴。1日で4つの町をまわろうという強行スケジュールにも更に気合いが入ります。
バーリからアルベロベッロ〜ロコロトンド〜チステルニーノ〜マルティーナ・フランカへ。これらの町は、私鉄のSud-est線で結ばれています。ネットで時刻表を調べ(これは便利でした!)、1時間に1本しかない状況からどうにかこうにか駆使して、最終目的地マルティーナ・フランカからバーリに戻る最終列車(それも20時6分と早いっ!)に乗れるよう、事前に時間割を作り、準備万端で臨んだのでした。

Sud-est線は、バーリ国鉄中央駅の10番線ホームの1つ先にホームと切符売り場があります。まずは、定刻の7時10分発で順調な滑り出し。
一両に数人ほどしか乗っていないのどかで静かな列車の旅。やがて1時間ほども走ると、ポツリポツリとオブジェのようにトゥルッロ(左下写真のように白い石灰の塗り壁に灰色のトンガリ屋根を持つ建物)が点在しているのが見られます。住居そのものだったり、敷地内の納戸のようだったり.....。カタチ自体がとっても愛くるしくてユニークなので、あそこにもここにも!と景色の中から見つけだすだけでも楽しい時間が過ごせます。

定刻8時52分、アルベロベッロ駅に到着。駅周辺はなーんにもなく閑散としています。上り坂になった正面のマルゲリータ通りをまっすぐ歩きます。道の両側に整然と並ぶ建物は、ごく普通の四角い建物ですが、手入れが行き届いているためか壁がやけに真っ白でぴかぴかしていて、太陽の光に反射して町全体が眩しい印象。

ふと脇道を見ると、あっちにもこっちにもトゥルッリ(トゥルッロの複数形)が〜!近くで見るとほんとカワイイ〜〜、まさにメルヘンだ〜〜!

マルゲリータ通りを上りきり、交差するヴィットリオ・エマヌエーレ通りを左に歩くと、間もなく小さなかわいいポポロ広場に出ます。ここまで来ると、トゥルッリが密集した地区がすぐそこに目に入り、もうルンルンワクワク。でも、はやる気持ちを抑えながら順番に....
ポポロ広場に面して建つカーサ ダモーレ(愛の家)→。
ガイドブックには、ここがツーリストインフォメーションになっていると書かれているのですが、それらしき表示もなく、中にも入れず...。
そうこうしているうちに、日本人のツアーの団体が30人ほどどぉーっと到着。この瞬間、町の人たちが憩うこの小さな場所は、イタリア人よりも日本人の方が多くなってるぅ〜
この団体さんたちが、お土産屋さんが並ぶ観光名所、モンティ地区の方に向かったので、私はもう1つの見所の地区、アイア・ピッコラ地区に先に入ってみました。こちらは閑静な住宅地。ただ、住宅がすべてトゥルッリなので、一見生活感がなくてまさにおとぎの国のようです。でも、よく見ると、洗濯物がはためいていて、パティオにはきれいな植木や花が並んでいて、衛星放送用のアンテナもばんばんついてたりして、当然ですが生活の息吹がしっかりと感じられます。
トゥルッリを間近で見ると、キアンカレッレと呼ばれる石灰岩の平たい石が器用に積み上げられている様子がよく分かります。自然にある石灰岩を利用した先人たちの知恵が、今もちゃんと生き続けていることに感動します。それにしても、本当に手入れが行き届いていて、壁は真っ白だし道もきれいだし、ここはほんとにイタリア?
▲ポポロ広場の先にある展望台らしき場所から望むモンティ地区。にょきにょきはえたトンガリ屋根達を一度に見ると、なぜかあんまり可愛くないんだなぁ...これが。
モンティ地区は、想像以上に完全に観光地化されていました。手作りの工芸品や南イタリアの特産物など、びっしりとお土産屋さんが並ぶモンテ・サンミケーレ通りを歩くと、朝も9時半を過ぎたばかりだというのにどの店もしっかり営業しています。驚いたのは、ほとんどの店先に、日本語で書かれたポップや看板が掛けられていること。しかも、お店の人たちも日本語が上手!みんなが「おはよう。入って入って」って声をかけてきます。マテーラのガイドのテープと言い、この町といい、どうなってるの?というカンジ。ただ、この町の場合はきっと、もちろん日本人がたくさん観光に訪れるということもあるんだろうけど、ここに嫁いでおられる陽子さん(しかも私と同じ名前♪)という方の影響もあるのではないかと、勝手に思ってます。
それにしても、せっかく日本語で話しかけられているのに、店に入るときも出るときもちゃんと挨拶しない日本人の多いこと。悲しくなりました。添乗員さんはそこんとこをちゃんとお話しておいて欲しいものです。

▲一部の屋根に、真っ白な石灰で描かれたシンボル的なマークが見られます。右写真の太陽のマークや十字架、ハートに矢などはクリスチャンを表し、他にも魔術を表すシンボルや原始を表すシンボルがあるそうです。これらは一種の魔よけとして、宗教的な意味合いを持って長く住民達に信じられてきたと言います。かなり大きく空に向かって描かれているように見えるので、宇宙人へのメッセージか!?なんてちょっと思ったりして。ただ、全ての家の屋根にあるわけではなく、ない家の方が断然多かったので、それがなぜだかは色々調べてみたのですが結局分からず...。また、屋根の先の小尖塔にも色々なカタチが見られました。ちなみに、右写真のお家はリネン屋さんで、入口扉の上には”お気軽にお立ち寄り下さい。手作りリネンの芸術”と日本語で書かれています。

モンティ地区の終点、モンテ・サンミケーレ通りを上りきったところにあるサンタントニオ教会。アルベロベッロの象徴として、1926年に建てられた比較的新しい建物です。青空に、真っ白でカワイイ造りの外観が本当によく映えて、この町を形容するには月並みな言葉だけど、ほんとにおとぎの国のようなのです。
▲モンティ地区から、来た道を戻り、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りも戻って突き当たりまで行くと、トゥルッロ・ソヴラーノというトゥルッリで唯一の2階建ての家があります。部屋の数だけとんがり屋根があるはずなので、外から見るだけでもかなり大きなお宅です。ソブラーノは最高のとか至高のという意味。当時のお金持ちの住まいのようです。

▲1.5ユーロの入場料を支払い、中に入ると、既に欧米人やら日本人やらの観光客でごったがえしていました。天井が高いので圧迫感もなく広々として、壁の白さは涼しさを呼び、風通しもよくて住まいとしてもとっても快適。冬は暖房が効かなくて寒そうだけど...。楽しみな2階の部屋は右写真の通り、天井が低くて狭い!要はとんがり屋根の部分を無理矢理高くして空間を作っただけなんだもんね。実際には子ども部屋として使われていたそうです。

リビングの一角に、当時使われていた家具や日用品がまとめてディスプレイされています。
将来自分の家を作るとき、大いに参考にしたい点が、これらトゥルッリの家々にはたくさんありました。例えば、ドーム状のRがかかった天井にあたるブラケット(壁の照明)の光は、こんなにも美しく反射しています。漆喰の壁は、手入れは大変だろうけど、やっぱり肌にも心にもなじみます。
ん〜〜夢だけ広がるシャボン玉。

もう少しのーんびり家々を見て回りたいところですが、予定通り、アルベロベッロを11時6分に出る列車に乗るべく、足早に駅に向かいます。次は、隣り駅のロコロトンドを訪れます。