旅日記(オススメレストランやホテル情報もあり) 今月のお土産プレゼント 店主のつぶやきBlog 店主のひとりごと イタリア語のお勉強中の方へ ミラノ情報・2003年〜2005年 美味しいレシピ満載です! リンク集 フィレンツェのホームステイをご紹介しています お買い物代行承ります 翻訳サービスはじめました 直接商品をご覧いただけます
 
HOME > 旅日記
 
 

<14、15/Febbraio(2月)/2005> a Roma vol.1<2005年2月14、15日(月、火)>   

あ〜神様、今回もまたイタリアへと旅立てることを心より感謝致します。
昨年、決算月の3月に強行突破で行ったらば、帰国後えらい大変だったので、今回は1ヶ月早く行ってみましたー。寒いだろうなぁとは思っていたけど、いやぁ本当に寒かったです。今年の冬は欧州全体が何十年ぶりかの大寒波に見舞われたらしく、南イタリアまでも連日雪続き。毎朝「MAL TEMPO(悪天候)」のニュースとともに目覚めるといった状態でした。
さて、今回は、ローマ〜アッシジ&スポレート〜フィレンツェ〜ミラノというルートを巡ります。ローマは実に3年半ぶり。前回日曜のため見損なったヴァチカン美術館に行くのが目的です!(これこれ、買い付けは?)


成田からローマへのJALの直行便は、午後15時半とまだ明るいウチに到着します。空港からテルミニ駅への直通列車に30分ほど乗って17時過ぎに駅到着。半端じゃない駅の広さに加えて、空港直通列車の到着ホームは入り口出口から一番奥。駅を出て500人広場のTAXI乗り場で数々の客引きをかわしながらちゃんとしたTAXIに乗り込んだときは、もうくたくたでした。
今回のホテルは、HOTEL ALEXANDRA。静かで雰囲気のいいヴェネト通り、バルベリーニ広場近くにあります。朝食込みでvenere.com予約で1泊98ユーロ(約13,700円)はまぁまぁかな。
Via Vittorio Veneto, 18   info@hotelalexandraroma.com
http://www.hotelalexandraroma.com/


▲早速、夜の散策に出かけます。まずはトレヴィの泉のライトアップをのぞいてみました。真っ白な彫刻達が午前中の陽射しをたんと浴びて、たっくさんの観光客の誰もがミーハーっぽくてやけに明るいイメージだった前回の印象とは打って変わって、かなりロマンチックなムードに包まれています。照明の力は偉大だー。右写真は起源29年建立のアウグストゥスの廟。周囲は人通りも少なく、わずかな街灯があるだけのちょっと不気味な空間で、この前で写真を撮るのも少々勇気が必要でした。

▲宿泊するホテルが面するヴィットリオヴェネト通り。ローマで最も優雅な通りというだけあって、夜も各パラッツォ(大きな建物)のライトアップなどで美しく演出されています。そうそう、今日はヴァレンタインデーということもあり、1輪の赤いバラを持った女性とその彼が仲良く歩く姿をよく見かけました。
夕飯をどこにしようかなぁとホテルの近場で探したのですが、良さげな1店目は満席でNO。更にぶらぶら歩いて、お店の前に立っていたシニョーラと目が合い、ふらふらっと引力のように吸い込まれて入ったのがあるピッツェリア兼リストランテ。入ると誰もいない。ハタと我に返り、しまったーと思ったけど時既に遅し。「本日のオススメ料理」から、無難だろうと勝手に思ったブルスケッタとピッツァを頼みました。しかも、ピッツァは”スペチャリタ デッラ カーサ”と書いてあるし。しかーし、不安的中ピッツァがひどかったぁ。。。びっしり敷き詰められたルッコラの上にトマトとモッツァレッラが生の固まりで乗ってるだけ。生地も焼いて1時間は放っておいた?と思うくらい恐ろしく固いし何の味もしない。ルッコラは固くて大きくて食べると喉に突き刺さり、一気に食欲ダウン.....。どこが”スペシャル”なんじゃいっ!
後で日本在住ローマ人に聞くと、ローマのピッツァはまずくて有名、だそうな。あー先に聞いておけば良かった....。

翌朝、もう昨夜歩いた疲れが残っているのに少々ショックを受けながら起き出します。天気予報に反して少しお天気は良さそ。今日は、前回見逃したローマの見所をできるだけたくさん回らねば。珍しくスクランブルエッグやケチャップまであり、生ジュースがうれしい朝食は、充実度高し。さすがローマ。三つ星クラスでこの品揃えはなかなかです。
さて、連日入場する際の大行列でも有名なヴァチカン美術館ですが、この時期は比較的観光客も少ないだろうというヨミのもとに、8時45分開館の30分前に着く計算で出発します。余談ですが、地下鉄(市バス・トラム兼用)の切符は1回券(75分有効)が1ユーロ、というのはミラノと同じですが、1日券はミラノが3ユーロに対しローマでは4ユーロでした。これだけに限らず、やはり何かとローマは高いわぁと思うことは多いです。
地下鉄でOttaviano駅を降りて早歩きで5分ほど行くと、美術館の入り口が見えるLEONEW通りに入ってすぐ、150mは優にあると思われる大行列が目に飛び込んできます。えっもうこんなに!とかなり焦って思いっきり走ってしまいました。ちなみに、Ottaviano駅と次のCipro Musei Vaticani駅の両方から同距離の位置にありますが、列の最後尾は断然Ottaviano駅から来る方が近いです。それにしても、待ってる間の寒いこと!冷たい風が容赦なく吹き付けます。
開館の時間になると思った以上にするする列が動き、8時50分には入館できました。だってだって、美術館の大きさは半端じゃないんですもの、そりゃ入るわよね。そう、全長7キロとあまりに広いし見所が多すぎる、しかも冬季は13時45分で閉まってしまうので、事前に綿密な計画を立てておいても、入った瞬間焦りで胸がいっぱいになってしまいます。まずは落ち着いて、日本語のガイドテープをレンタルし、意気込みも新たに観たいモノを厳選しながら順に見ていきます。


▲エジプト美術館から望む”ピーニャの中庭”。中庭と呼ぶには広大な芝生の美しいスペースに、皆吸い込まれるように入っては早速ひなたぼっこを楽しんでいました。右は、四隅に古代彫刻を配置させた”ベルヴェデーレの中庭”。


▲各アーチの両側に様々なデザインの大型燭台が置かれている”大燭台のギャラリー”。アーチの柱や天井画も美しく、空間自体が緻密に計算されているようです。右は、キリストの一生を主題にした19枚もの大型タペストリーが並ぶ”タペストリーのギャラリー”。織物ですから、下絵を元にしたとは言えかなりの労力と技術力がうかがえます。これだけ表現力のあるものを見るのは初めてかも。。中でも、エルサレムのヘロデ王が生まれて間もないイエスを亡き者にしようと、イエスの生まれたベツレヘムとその周辺に住む2歳以下の男の子を皆殺しにするというシーンが描かれているものがあり、ぶるっと来るくらい鬼気迫るものを感じました。
▲タペストリーのギャラリーの暗さから一転、黄金色の美しい天井と壁一面のブルーやグリーンが爽やかな印象の”地図のギャラリー”。16世紀後半に描かれたイタリア各地方と教皇領地の地図40枚のフレスコ画には圧巻です。行ったことのある町の地図には思わず、合ってるかどうか見入ってしまいます。
▲”ラファエッロの間”の4室のうち、最初にラファエッロが着手し、弟子ではなくて彼自身が完成させた部屋”著名の間”に描かれた”アテネの学堂”。同時期に制作されたミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画と共に、ルネサンス古典様式の最高傑作のひとつとしても有名です。
ここには、ラファエッロ自身が尊敬してやまない二大巨匠・レオナルド・ダ・ヴィンチに似せたプラトンと、もう1人ミケランジェロを表したヘラクレイトスなど、古代ギリシャの賢人達が一堂に会し議論する姿が描かれており、また、ひょっこり端っこに自身を登場させてこちらをじっと見つめていたりと、実にユニーク。ガイドテープの説明にいちいち頷きながら、見ていてなかなか飽きません。そしてやはり、この部屋がラファエッロの間の中で最も混雑していました。

▲そしていよいよ、システィーナ礼拝堂へ。あぁ、写真だとあまりに心許ない。この神々しいオーラに包まれた空間に自分がいることにまず感動します。”最後の審判”に息をのみ、更に天井画の迫力に心奪われ、時の経つのも忘れます。彫刻家としての方が有名なミケランジェロですが、天才は何をやっても天才です。これらをミケランジェロが描く羽目になったいきさつや表現しているものなどは、他の詳しいガイドサイトさんにおまかせするとして、それを頭から追い去ったとしても彼の執念のような意地のようなものが伝わってくるような気がします。特に”最後の審判”は悲壮感さえ漂ってくるようでした。礼拝堂の両壁にはペルジーノやボッティチェッリなどの秀作が描かれていますが、圧倒的にミケランジェロの迫力に負けてしまっているようで、少々残念。
▲後ろ髪を引かれる思いで礼拝堂を後にして間もなく、造作の美しい書棚が並ぶヴァチカン図書館の回廊をひたすら進むことになります。その一角にある、図書閲覧のために作られ今は貴重な写し本などが納められている”システィーノの間”はあいにく進入禁止。それにしても、ちょっとしたスペースの造作にも抜かりはありません。セルフサービスのレストランや郵便局などが集まる広いスペースに一旦出て、”絵画館”へと進みます。もうこの時点で皆疲れたのか、絵画館で一気に人の入りが少なくなっていました。でも、侮るなかれ、見所は満載です。特に、右写真、第8室にはラファエッロの20歳、29歳の絶頂期、37歳の死ぬ間際に描かれた3作品が同時に見られます。その次の第9室には、ダ・ヴィンチの未完の傑作「聖ヒエロニムス」があります。なんでもナポレオンがフランスに持ち帰ってその後行方不明になり、ある質屋で分断された状態で見つかった、とか。そういう背景も合わせて観ると余計に感慨深いものがあります。

あぁ満喫。胸はいっぱいお腹もいっぱいです。ガイドテープは、かなり説明が詳細で長く、1つ1つ聞いていると日が暮れてしまいそうなので、こちらも興味のあるものに限定して聞くと良いと思います。レンタル料6ユーロ(840円)はそこそこの料金ですが、絶対に聞きながらの方が楽しさも倍増です(日本人はあまり利用している人がいませんでした)。<br>
それにしても、何とも膨大で貴重なものばかりだこと!これらがその時代時代の法王のプライベイトコレクションだというのですから、言葉もありません。しかし、その恩恵を受ける我々は、やはり感謝感激ものです。<br>
→こちらは出口。入り口を見ると、まだ長蛇の列が!もう11時半なのに大丈夫かしらん。
さぁー、これからまっすぐコロッセオに向かいますっ!

*Romaの過去の旅はコチラ!2001年10月