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-第9回-キッズの人気者 ジェロニモ・スティルトン (2007/10/23) <バックナンバー>

Salve amici! Come state? (サールヴェ アミーチ!コメ スターテ?)
皆さんこんにちは。いかがお過ごしですか? 今日もまた楽しくイタリア語をお勉強しましょう。

さて、10月も終わりに近づき、秋が日に日に深まってきました。 イタリアでは「読書の秋」という言葉はあまり聞きません。 でも、夏休み気分が抜けて新学期スタートの騒ぎが収まるこの頃には、子供達も落ち着きを取りもどして「ちょっと本でも読もうかな」という余裕が出てきます。
今回の話題は、世界の子供達の間で人気のイタリア生まれの作家(?)ジェロニモ・スティルトン。 彼が主人公のシリーズ本は、30以上の言語に翻訳されて100ヶ国以上で発行されているので、日本でもご存知の方は多いかもしれません。 (↓小学5年生になったうちの息子アンドレアの本棚から)


まずは彼の履歴書を見てみましょう。
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ジェロニモ・スティルトン

Nato a Topazia (Isola dei Topi), Geronimo Stilton e` laureato in Topologia della Letteratura rattica e in Filosogia archeotopica comparata.

トパツィア(ネズミ島)生まれのジェロニモ・スティルトンはラット文学のトポロジー学と、比較考古鼠哲学において学位を取得しました。

トパツィアで一番の発行部数を誇る日刊紙“カジカジ新聞”を20年にわたり運営しています。
“消えた宝物の謎”についてのスクープによって、トピッツァー賞を受賞しました。

Geronimo ha ricevuto anche il Premio Andersen 2001 come personaggio dell’anno.

ジェロニモは、2001年アンデルセン賞のキャラクター・オブ・ザ・イヤーにも選ばれました。

彼の著作のひとつは、2002年、世界で最高の子供向け電子書籍としてeBook賞を受賞しました。
Nel tempo libero, Stilton colleziona antiche croste di parmigiano del Settecento, gioca a golf, ma soprattutto adora narrare fiabe al suo nipotino Benjamin…

スティルトンの趣味は18世紀のパルミジャーノのアンティーク皮コレクションとゴルフですが、それにも増して大好きなのが、甥っ子のベンジャミンにおとぎ話を語ることです。

(イタリア語版テキストの全文は、こちらをどうぞ。)

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履歴書からもわかるように、このシリーズ主人公であるジェロニモ・スティルトンは“カジカジ新聞(オリジナル・イタリア語はl’Eco del Roditore)”という新聞の社長兼編集長を務めるネズミ(topo =トーポ)です。 でも、いつも厄介ごとや冒険に巻き込まれるので、本業はついついおざなりになりがち。 シリーズでは、そんなスティルトンがこれまた個性的な友人ネズミや親戚ネズミたちと一緒に繰り広げる楽しいお話が、カラフルなイラストと、自由でユニークな文字フォントづかいで綴られています。


(↑ついつい読み進んでしまうリズミカルなレイアウト)

また、全編に散らばる言葉遊びもスティルトン本の魅力のひとつです。
例えば、Terzo Viaggio del Regno della Fantasia(ファンタジー王国への3度目の旅)の冒頭。 一族のみんなと盛大なピッツァ・パーティで、お腹がはちきれるくらいピッツァを食べたジェロニモは、その夜、消化不良からベッドの中でゴロゴロと繰り返し寝返りをうって苦しむことになるのですが、そのシーンでは

Quella notte, io mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai, mi girai e mi rigirai,……………..

と、1ページ全部がmi girai e mi rigirai (寝返りを打って、また寝返りを打って)で埋まっていて、一番最後にnel letto…(ベッドの中で...)と締めくくられてるんです。

(↑寝返りを打って、また寝返りを打って、寝返りを打って、また......)

彼の執筆による(全シリーズそうなんですが、本当にどれもGeronimo Stilton著となっているのです)Barzellette(バルゼッレッテ=笑い話)集も何巻も発行されていて、これまた子供達のベストセラーです。
今日はその第5巻の中から5つのバルゼレッテをご紹介します。 アンドレアに「おもしろいのにしてね」と頼んで選んでもらいました。

では、まずは原文のイタリア語だけを読んでみてください。
直感で「ハハハ」と笑えればanimata的イタリア語上級者に認定ですよ。

1.Pronomi
------ Andrea, dimmi due pronomi.
------ Chi? Io?
------ Bravo!

最初のバルゼレッタのタイトルはPronomi (代名詞)。
「アンドレア君、代名詞を2つ言ってください」
「誰?ボク?」
「よくできました!」
これは日本語でもそのまんまなので説明不要ですよね。

次のも簡単です。 タイトルはQuattro occhi(4つの目)。

2.Quattro occhi
------ Dimmi Salvatore, quanti occhi abbiamo?
------ Quattro!
------ Come sarebbe quattro?!
------ Quattro, due io e due lei…
「サルヴァトーレ君、私達の目はいくつですか?」
「4つです!」
「4つですって?!」
「4つ。ボクのが2つで先生のが2つで...」

このジョークの中では、先生が「私達人間には」という意味で動詞avereの1人称複数形abbiamoを使っているのに対し、サルヴァトーレ君は単に「自分と先生」という意味でのabbiamoだと勘違いしたのですね。

次からはちょっとひねりが効いてます。 どれも日本語にしてしまうとジョークとして意味をなさなくなってしまうのが難点なのですが....

3.Risate Pericolose (危険な笑い)
------ Qual e` il colmo per un palloncino?
------ Scoppiare dal ridere!!!
「風船にとってのドン底ってなに?」
「大笑いで破裂すること!!!」

これはscoppiare(破裂する)とscoppiare dal ridere(大笑いする)をかけたジョークです。
colmo(コルモ)というのは「頂上、頂点」という意味ですが、ジョークの中で使われる場合は「ある人、物にとって皮肉な状況がピークに達した状態」を言います。 日本語で相当する言葉がないので、ちょっと苦し紛れに『ドン底』としましたが、雰囲気は伝わりますでしょうか。
colmoはイタリアのバルゼレッタでは大人向けでも子供向けでもよく使われ、コルモ・カテゴリーとでも命名したいほどです。

そして、4つめもcolmoネタ、Distrazioni sul lavoro(仕事の不注意)
------ Qual e` il colmo per un giardiniere distratto?
------ Innaffiare ogni giorno… le piante dei piedi!
「うっかり者の庭師のドン底ってなに?」
「毎日水やりするすること...足のうらに!」

これは庭師だからle piante(植物)と足のうら(le piante dei piedi)をかけたもの。
最後のバルゼレッタは、なかなか深遠です。

5.Tra specchi e riflessi「鏡と反射の間で」
Mentre la maestra interroga in scienze, un’alunna si guarda allo specchio.
------ Ma che cosa fai Alessia?
------ Rifletto, signora maestra!
理科の授業中、先生が質問しているとき、一人の女生徒が鏡を見ていました。
「アレッシアさん、いったい何をしているの?」
「よく考えてるんです、先生!」

イタリア語のriflettere(リフレッテレ)という動詞が「反射する、反映する、映し出す」と同時に「熟慮する、考察する」という意味も持っているということから生まれたジョークです。

いかがでしたか? イタリアの小学生を笑わせるツボがつかめたでしょうか。 (え?そういうコーナーじゃなかったですか?) 皆さんもイタリアにいらっしゃる機会があったら、ちょっと本屋さんのキッズ向けコーナーも覗いてみてください。 スティルトン氏をはじめ、楽しい仲間に出会えますよ。

ではでは、ALLA PROSSIMA!!(また次の機会にお目にかかりましょう!!)