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<16/Aprile(4月)/2002> a Alezzo <2002年4月16日(火)>

9時からのショーペロ ゼネラーレ(ゼネラル・ストライキ)できっと駅構内も混雑するだろうとよんで、早めに出発。
でも、思いの外、特に混乱している様子もなく普段と変わらないくらいの平静さ。もう慣れっこなのかしら。
でも、今回のストは、ベルルスコーニ内閣が労働法の改正に着手したことに対する、イタリア3大労組による20年ぶりの大規模なものだそうです。あとでニュースで見ると、主要な町ではどこも大規模なデモが行われていました。

8時42分のインターシティ(特急列車)は定刻どうりに出発。大きい荷物が2つもあるので、30分くらいだし車両と車両の間で立ってることにします。
9時17分、アレッツォ駅に到着。整然として清潔感があってかわいい町、というのが第一印象。
まずは駅から200mほど歩いたところにある、カヴァリエーレ パレス ホテルにチェックイン。
朝のお掃除中なので、荷物だけ預けて早速町へ。
駅正面からまっすぐ伸びたモナコ通りの坂を上り切って、突き当りを右に折れると、簡素なファサードがかえって印象的な、サン・フランチェスコ教会が建っています。
ここには、アレッツォが生んだピエロ デッラ フランチェスカというルネサンス時代の画家が書いたフレスコ画があります。損傷が激しく2000年に向けて大規模な修復がされたそうで、それはみごとに鮮やかに甦っていました(右上写真)。ほんとは写真は×みたいなのですが、あまりに美しくてごめんなさいしながら撮ってしまいました。
内部は広々とすっきりした造りで、壁面に並ぶニッチが豪華です。


おしゃれなブティックが立ち並ぶイタリア通りに出て、ゆるやかに上る坂をあがると、アレッツォで最も美しい教会と言われているサンタ・マリア・デッラ・ピエーヴェ教会があります。美しいと言われるのはきっと、ファサードの3層に渡るアーチだと思われます。上にいくほどアーチ自体が小さくなっていてちょっとした遊びゴコロを感じます。修復中で、全体に薄いシートが掛けられてクレーン車が道を占領していました。
右上写真はこの教会の鐘楼で、4面ともに2連アーチが配置されています。この町のシンボルのように存在感大。

ちょうど教会の裏に位置するグランデ広場。
映画”La vita e` bella(ライフ イズ ビューティフル)”の、グイドとドーラが再会するシーンや、グイドが自転車にジョズエとドーラを乗せて走りぬけるシーンで登場した場所です。
でも、思った以上に小さくてちょっとあんぐり。しかもクルマが数台と、地元の人が数人と、観光客の団体が1つだけでちょと淋しい。。 でも、なんだか、ここにいるとステキな恋が始まりそう〜〜(おいおい)。
横から見ると、傾斜度がよく分かります。ここも、広場に面するロッジア宮殿をはじめ、あちこち工事だらけでした。

広場の端っこにちゃんとありました。映画の紹介と撮影の様子が書かれたパネルが。
この映画は、私の中では5本の指に入る名画です。
本来のテーマは重いんだけど、ベニーニらしい軽快なテンポとユーモアと、伏線的なトリックが織り交ざり、生きることの大切さと素晴らしさをこれ以上ない愛のカタチでもって教えてくれる、素晴らしい映画だと思います。
この広場では、毎月盛大なアンティーク市が行われるそうで、そのためかアンティークショップが数多く見られます。家具から調度品から貴金属(アレッツォは金をはじめとする貴金属加工が盛ん)、中には日本か中国からのものと思われる”書”まで置いてありました。アンティークには全く疎いので、店の外からのぞくだけ....

広場の北側に面するヴァザーリ回廊の途中に階段があり、それを上りきると、正面に緑あふれるプラート公園が広がります。
広々として、とても静かでのどかで、この町の正にオアシス的な場所。きれいなトイレもあります。
左手にはドゥオーモの鐘楼がすっくと見えます。

ドゥオーモに入って思わず声をあげます。誰でもきっと間違いなく。
ステンドグラスがとーーっても美しいのです。こんなに鮮やかで迫力のあるステンドグラスを見たのは初めてかも知れません。
正面だけでなく、右側壁面の窓もすべてステンドグラスです。
一番前の席で時を忘れて見惚れ、なかなかお尻があがりませんでした。
左側の壁には、かのフランチェスカのフレスコ画が一枚だけ、さりげなく掛けられています。
そして右写真の、天井いっぱいまで高さのある大きなパイプオルガンも圧巻。

ドゥオーモのファサード。
旧市街を見下ろすように、威厳あるたたずまい。
欧米人の団体観光客や、地元の子ども達の遠足などでけっこう賑わっておりました。
ドゥオーモから200mほど先にあるサン・ドメニコ教会。アシンメトリーがユニークなファサードと鐘楼が印象的。内部の壁は多数のフレスコ画で埋め尽くされていますが、かなり損傷は激しいです。
主祭壇に、チマブーエの”十字架上のキリスト像”があるのですが、窓からの逆光が眩しくてよく見えず... 右写真がそれです。

プラート公園を横切り、メディチの要塞へ。
アレッツォの町自体が砦に囲まれており、その本城みたいな場所がここ。
暗い入口から入って、岩のトンネルと階段を通って(一人だとちょっと心細い..)屋上に出ると町が一望できます。そんなに高くはないですが。

ホテルの人に教えてもらった美味しいリストランテ。
地元の人で大賑わいで、確かに本当に美味しかったです。お店の人もみんなシンパティコ(親切)。
トスカーナ特有のファジョーリ(白インゲン)がたくさん入った野菜のミネストローネはモルト ブォーノ!(ミネストローネは今までほとんどハズレなし)
子牛の肉のカルパッチョもさっぱりと食べやすく、ヴィーノ(ワイン)とカッフェでしめて20ユーロ(約2,300円)。
 Ristorante Il Cantuccio
 Via Madonna del Prato,76
  (カヴァリエーレ・パレスホテルと同じ通り)
  tel; 0575-26830 水曜定休
ホテルの部屋は、小さいけれどブルーを基調にしたインテリアで清潔。
洗面室が広々としてるのがうれしい。
ドライヤー、ミニバー、セイフティボックス、ティッシュ(けっこう珍しい)あり。朝食込みで1泊93ユーロ(約10,900円)。
Cavaliere PalaceHotel
 Via Madonna del Prato,83
 tel; 0575-26836

ホテルの人は、発送用のダンボールの箱を探してくれたり、緩衝材代わりの新聞紙をたーんとくれたりと、とーっても親切でした。
3泊もするのに初めてのホテルってけっこうドキドキものですが、こういう親切に触れただけで旅が何倍も楽しく感じます。

ショーペロでバスも動かず、インフォメーションも閉まり、スーパーもレジが1つしか開いてなくてハムやチーズなどのカウンターはお休みで売り場全体が閑散としてたり、旅行者にとっては若干の影響あり。
夜のニュースでは、各町のデモの様子が報道されていたのですが、フィレンツェのあの広いシニョーリア広場が労働者たちで埋め尽くされ、演説やシュプレヒコールなどを繰り返している様子が出ていました。
ベルルスコーニに対する労働者たちの怒りが行動となって現れたわけで、それに比べて日本って、信じられない問題がこんなに噴出しているのに、やっぱり全くもって大人しいようです。