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<17/Aprile(4月)/2002> a Cortona <2002年4月17日(水)>

今日は、アレッツォから30キロほど離れたところにある小都市、コルトーナへの日帰りの旅。
列車に乗る前に、昨日はショーペロでお休みだったアレッツォ駅前のインフォルマツィオーニ(インフォメーション)で、アレッツォの町のマッパ(地図)をいただきます。たくさんの写真と英語の説明文、大きくて分かりよいMAP付きという充実したものなので、訪れた際は必ずGETしてください。

各停に乗り20分ほどすると、車窓から、なだらかな山の上に浮かぶ低い城壁に囲まれた小さな町が見えます。
10時30分、CAMUCIA−CORTONA駅に到着。
とってもとっても小さくて淋しい駅で、駅前にもなーんにもなく、機能してるのかも怪しい錆びれたバス停にとりあえず立つけれど、ビリエット(切符)売り場もなく、駅に戻って窓口で聞くとバスの中で買うとのこと。へぇ〜〜これは初めて。

でも、ポツンと1人で待ってると、全然来そうにないし、時間もちゃんと書いてないし、どんどん心細くなって、また駅に戻り、駅でたむろしていたおじさん達に”ガリバルディ広場まで遠いか”と聞いてみたら、4キロはあるとのこと。そしたら1人のおじさんがタクシーの運転手さんらしく、乗っていきなよと言う。
助手席を開けられ、え?と思ったらメーターがない。ありゃ、白タクだったのね。
で、”おいくら?”って聞いたら”10ユーロ(約1,180円)”とのこと。うーん、、ちと高い気もするがまぁいいや。
でも、英語が少し話せる人で、道々ガイドもしてくれてちょっとお得感あり。と無理やり自分を納得させてみる。
ずんずん山を上っていくにつれ、景色も素晴らしく、また上っていくに連れて町も賑やかな雰囲気になっていき、駅前でのちょっとした失望感がいっぺんに吹き飛んでいきます。

ピアッツァ ガリバルディ(ガリバルディ広場)到着。かなり肌寒い。
パノラマがとても素晴らしく、ちょっと曇っているのが残念...
でも、左手方向に、かすかにウンブリア州のトラズィメーノ湖まで望むことができます。
まずは、町の南西端に位置するドゥオーモへ。
端といっても、直径500mほどの小さな町であっという間に到着。
ドゥオーモ自体は特記事項なし。
ドゥオーモの向かいにムゼオ(博物館)があり、ここにはコルトーナ出身の画家・シニョレッリや、ルネッサンスで有名なフラ・アンジェリコの貴重な作品が収められています。
一際みんなの目を集めていたのが、有名な「受胎告知(フラ・アンジェリコ作)」。

ムゼオの脇のVia Gesu`(ジェズ通り)を下りて行くと、”カーザ メディエヴァーレ(中世の家)のある道”に出ます。
もう今では5〜6軒だけなのですが、2階部分が細い木の梁に支えられて道にせり出しています。
この木の梁もなんだか腐りかけで、かなり危なっかしいのですが、ちゃんと住居として機能しているようです。
道を少しでも広くとるための苦肉の策のようで、昔はこの辺一体で多く見られたそうです。


コルトーナの中心・共和国広場に建つ、市庁舎脇のトンネルの下に、木のハンドメイドのステキなお店を見つけました。Rossiさんというおじさんが、すぐそばの工房で1人で作っていて、実に精巧で美しいものばかりが展示されています。撮影は一部分だけなら、ということで撮らせていただいた左の写真は、ワイングラスのバリエーション。日本の仏像の世界で言うなら”一木造”とでも言いましょうか。継ぎ目や差しこみなどは一切ないのです。
右写真は、家具職人の義弟へのお土産に買ったローズウッドのリンゴとオリーブ。木目がとても美しく生かされています。
Rossiさんは最初は職人さんならではのぶっきらぼうな態度でしたが、6年前にフィガロ ジャポンにこの店が載ったんだよと雑誌を出してきて見せてくれたりと、だんだん打ち解けてくれました。


共和国広場と、時計台のある市庁舎。
広場に面してBARやお土産屋さん、ワイン屋さんなどが立ち、町の人はお喋りに興じ、のどかに時間が流れていきます。
メイン通りのナツィオナーレ通りから脇道がいくつか伸び、突き当たりは城壁で囲まれていて、どこからでもパノラマ状態。
この町でもアンティークのお店が多く見られました。なんとこんな小さな町だけど、アンティークのフィエラ(見本市)が行われているんだそうです。一体どこでだろ....


ナツィオナーレ通りとつながるようにして延びるサンタ・マルゲリータ通り。
けっこう急な坂道ですが、途中のパーキングからは更に素晴らしい景色が望めます。お天気のいいベルガモのアルタの町を思い出しました。道々、右写真のような、キリストを描いたモザイクを飾ったニッチが10個以上見られ、モザイクは鮮やかな色を残したとても美しいものでした。

たまたま見つけたトラットリア ラ グロッタ。有名なのか、すごい人。テラコッタ造りの内装で、雰囲気もカメリエーレもいたってアットホーム。
豚の背脂と思われるうすいラードがのったブルスケッタは、思いの外さっぱりとして、トスカーナの固いパンにもよく合うブォーノな一品。パスタには、今日のスペチャリタ(特別メニュー)をと言って、勧められたチンギアーレ(猪)のパッパルデッレを。これがまた格別でした。猪の挽肉がぽろぽろと甘くて優しくて、でもふっとい麺にもしっかりとからまり、ほんとに美味しかった〜〜。
更に、ドルチェのスペチャリタもお願いして、出てきたのがこのズコット。しっとりしたスポンジと、生クリームとチョコチップが絶妙で、モルトモルトブォ〜ノ〜〜!でもこのボリュームでバスタ(もういっぱい)〜〜。
4分の1リットルの赤ワインとカッフェとアクア(水)でしめて20.7ユーロ(約2,440円)。大満足!!

場所は....ごめんなさい。レシートが手書きのメモだけで、控えてくるのを忘れました。共和国広場からナツィオナーレ通りに向かうほん入口の、ワイン屋さんの脇から入った所だったと記憶します。
お店を出ると外は雨。季節はずれの雷まで鳴っていました。
標高が高いので天気は変わりやすいです。
帰りは、ガリバルディ広場から駅行きのバスがでていますが、本数があまりないので最初に要チェック。タクシーもありませぬ。

広場からも見えていましたが、山の途中に建つカルチナイオ教会。歩いて行く元気があれば本当は行きたいところ。
なぜなら、アレッツォのドゥオーモで見たあのステンドグラスと同じ人が作ったステンドグラスがあるのです。でも、閉まっていることも多いらしく、怖いのでくじけました。

コルトーナ。また1つ、大好きな町が増えました。