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<15/Settembre(9月)/2004> a Faenza〜Ravenna vol.1 <2004年9月15日(水)>


毎度のことながら、旅の間はバッチリ朝5時半に目が覚めます。日本でもそうだといいのになっ(叩かれても蹴られても起きないし)。
昨日の往復7キロの上り下りが効いて、いつもなら起きあがるのもつらいところなのに、今朝は全然平気でひょいっと起きあがれてびっくり。というのも、今回初導入したチタンのブレスがむちゃむちゃ効いたようなのです。
あの、洗濯物いっぱい干した物干し竿を主婦がえいやっと持ち上げるファイテンのCM。アレです、アレ。ブレスを両足首に巻いてずっと1日歩いてたんです。更に、夜寝る前には”休息時間”をペタペタ貼ってひ〜んやり。これでバッチリ!上の輪っかはそのCMの主婦もつけてるチタンネックレス。肩こりに効きます。
一旦ホテルをチェックアウトし、スーツケースは預けたままで、また1泊分の荷物だけ持って出かけます。行き先は、まずファエンツァ。アンコーナ行きの急行に乗って40分ほどでファエンツァ駅に到着。昨日の大雨とはうって変わっていい天気!サイコ〜!降りたホームで次の目的地・ラヴェンナ行きの時刻をチェック。しかーし、直行は6時間後しかない...どうしよー今日中にラヴェンナ回りきれないよ〜と思案していると、駅員さんが、直行じゃなくて乗り換え方法を教えてくれて、それが3時間後でベストタイム。よっしゃ!と張り切って駅を出ます。
早くもところどころ秋色に色づいた木々が並ぶ美しい並木道が駅正面から伸び、まっすぐ歩くと間もなく、うっそうと茂る緑の蔦の中にファエンツァの1番の見所、国際陶磁器博物館の入り口が不思議なコントラストで迎えてくれます。

ファエンツァという町は、私もついこの間知ったのですが、15〜16世紀に隆盛期を迎えた陶器製造の町として有名で、スペインのマヨルカ島を経由して伝わってきたマヨルカ焼の技術を発展させ、その素地のきめ細かさや色鮮やかさなどが素晴らしいことでヨーロッパ中で名声を得たとのこと。確かに、フィレンツェやシエナなどでよく見かけるマヨリカ焼きの陶器たちより、ずっと模様も色づかいも繊細で緻密で上品で、素朴感とはほど遠い印象を受けます。

▲ここには、5世紀頃までさかのぼるものから実にたくさんのマヨリカ焼きが展示されており、色鮮やかでかなり状態も良く、絵柄も美しさにも目を見張ります。イタリア国内だけでなく、世界中から集まった陶磁器、初めて目にするパナマやメキシコの土偶や食器、日本からも備前焼や有田焼まで展示され、その膨大なコレクションにも圧巻です。ちなみに、備前焼は”HIZEN”と書かれてました。食器好きの私にはもうたまらない場所。早く町のお店達ものぞいてみたくてうずうずしてきます。
 
▲見事な装飾で彩られたテーブル。もちろんこちらも焼き物です。う〜んコレ欲しい!!各展示物の前に説明書きのプレートが置かれていて、中にある写真は、その陶磁器に各々描かれた制作年をズームアップして撮ったもの。後々のことを考えてちゃんと年を書いてあるところもエライ!?

▲町の中にも陶芸の町としての誇りがガツンと感じられます。例えば、各店のプレート。陶器屋さん云々に拘わらず、磁器やモザイクで作られたこんなに素敵なショッププレートがあちこちで見られてもう感激!
ただ、ファエンツァ焼きそのものを売るお店は少なく、あってもかなり値が張るものが多いのは、それだけ高度な技術を要するということだろうと思います。


▲町の中心部らしき広場に面して建つカッテドラーレ(大聖堂)。内部は、両側に礼拝堂が並ぶかなり広々とした三廊式。この広場には時計塔や噴水、市庁舎などもあり、周囲の回廊にはたくさんのお店が軒を連ね、まさに中心どころといったカンジ。この辺りにツーリストインフォメーションがあるらしいのだけど、それらしいところが見つからず、お巡りさんに聞いても「ノンロッソ(知らない)」。
予定通り、ラヴェンナに向かうため駅に戻ります。空は次第に黒い雲がたちこめ、ぽつぽつ来はじめてます。12時8分、定刻でLAVEZZOLA行きの各停に乗り、30分に乗換駅のLUGOに到着。30分後にちょうどラヴェンナ行きがあるので、駅のBARで腹ごしらえ。小さな小さな田舎の駅にはホームの数が2本しかないので、ホーム表示のTV画面はもちろん、パタパタすらなく、時刻表に予め記載されてるBINARIO2(2番線ホーム)を信じて2番線で待ち、アナウンスでラヴェンナって言うのが聞こえたもんだから入ってきた列車にそのまま乗り込みました。1つ目の駅に停車して、はい発車ー。カステル ボローニャか〜。ん?カステル ボローニャ?ファエンツァに来る途中通ったじゃん。あれ?ひょっとして戻ってる?時既に遅く、念のため近くにいたシニョーラに、これってラヴェンナに行きませんよねぇ。。と聞いたら、とーっても気の毒そうに「逆だわよ。次のイモラで降りて乗り換えなさいな」と教えてくれました。
はぁーーっ。。。いつもちゃんと聞いてから乗るのに。。あの”ラヴェンナ”と聞こえたのは、1番線よって言ってたのね。ヒアリングが全然なってないんだからもー。イモラからはちょうど10分後にラヴェンナ行きがあってよかったものの、結局当初より1時間も遅れて着くはめになりました。何してるこっちゃ。


14時半、ようやくラヴェンナ駅到着。まずはホテルへ直行します。
駅から徒歩10分ほどのポポロ広場から少し脇を入ったところにあるホテル チェントラーレ バイロン。部屋も洗面室もゆとりある広さで快適!ヴァスカ(バスタブ)あり!ドライヤーはないけどミニバー、セーフティボックスありの朝食込みでなんと67ユーロ(9,300円)は超お得!

Hotel Centrale-Byron
Via W Novembre 14
tel:0544-33479
http://www.hotelbyron.com/

なんとか今日中に全てのモザイク遺産を見て回りたかったので、すぐに出発。
町の中心ポポロ広場には、ラヴェンナの守護聖人が乗る2本の円柱が立ち、ヴェネツィアのサン・マルコ広場のミニチュア版といった趣。
▲まず、こちらの八角形の古めかしい建物、ネオニアーノ洗礼堂へ。ガイドブックに16時半までと書いてあったので、1番最初に行ったら19時まででした。一歩中に入ると、目線の高さから上は全面モザイクに包まれ、ほーーっと思わず溜息が。キリストの洗礼と十二使徒がモチーフになった天井のモザイクには金泊がふんだんに使われていて、キラキラと音が聞こえそうです。
ここラヴェンナは、1500年前は西ローマ帝国の最後の首都であり、その時代に花開いたモザイク装飾を代表とするビザンチン芸術の傑作が、今も当時のまま残されている遺産そのものの町なのです。この色鮮やかなモザイクが1500年前に作られたのです。すごいすごいとは聞いていたけど、想像以上です。この後更にノックアウトされていくことなどつゆ知らず、バカみたいに口を開けて見入ってました。


▲隣接するドゥオーモと並ぶ大司教博物館の一室では、間近にモザイクを見られます。様々な色をした約3o四方の細かいガラスなどのそれこそかけらが、ぎっしり敷き詰められていて、手のひらのしわや線まで色を変えて表現されているのを見ていると、くらくら目眩がしそうです。見事としか言いようがありませぬ。この部屋の隣には、ラヴェンナでも屈指のモザイク作品が見られるというサンタンドレア礼拝堂があるのですが、な、な、なんと、修復中のためクローズぅぅう(大泣)。

途中、ツーリストインフォメーション(Via Salara,8)で地図をもらい(この地図はとても分かりよいのでぜひGETを)、サン・ヴィターレ教会などの見所が固まる緑の多い一角へ。
その芝生の美しい庭の隅で、小さなモザイク工房を見つけました。エントランスに大きなモザイクパネルが掛けられ、中をちらっとのぞくと、職人さんたち(若い人多し)が一心に作業をしています。おおぉっ、ちゃんとこうして芸術が引き継がれていくのだぁといたく感激する瞬間です。
▲このサン・ヴィターレ教会も6世紀半ばに建てられた大きな八角形スタイル。外部は至って質素だけれど、中に入ったらもう、わーっ......としか言葉が出てきません。写真では無理です。限界です。”絵”なんだけど、ちと違うんです。何だか普通の絵画よりも三次元的な一層強い迫力を受けるんです。ぜひ肉眼で見て欲しいです。
教会の内部の作りもドーム天井で囲まれた面白い作りで、窓は乳色のアラバストロ(雪花石膏)がはめられていて、一層趣がありました。

▲主祭壇左側の「ユスティニアヌス帝(東ローマ帝国の名帝)と廷臣たちの図」と、向かい側に「皇妃テオドラと侍女たちの図」と、全員が正面を向いた典型的ビザンチン様式で描かれています。独特の空気感に圧倒され、なかなかこの場から離れられませんでした。
▲教会を出るとすぐにまた、奇妙なカタチをした簡素な建物が目に入ります。ラヴェンナに都を移した西ローマ帝国ホノリウス帝の妹、ガッラ・プラチーディアの霊廟です(実際に彼女は埋葬されていませんが)。こちらは5世紀半ばに建てられたとのこと。小さな入り口から一歩足を踏み入れた途端、暗い堂内のその真上に、しっとりとした深い蒼にキラキラ金色が光る天井がまず目に飛び込んできます。まさにプラネタリウムに飛び込んだかのようです。目が慣れてくると、壁天井一面にびっしりと描かれたモザイク画の色遣いに更に感動。暗くてデジカメのレンズの向こうには全く何も見えない状態ですが、闇雲に撮ってました。この建物はちょうど上から見ると十字架のカタチをしており、中央だけ高くなったクーポラには、深い蒼に十字架と無数の金の星が描かれており、本当に星が瞬いているように見えました。窓には赤みの強いアラバストロがはめこまれていて、この空間に似合いすぎてまた感動....。

▲ちなみに、左側は「よき羊飼いの図」右は「水盤から水を飲む白い鳩の図」とちゃんとタイトルがあります。
モザイクは、なんと言ってもフレスコ画のように退色したり朽ちたりしないのがいいし、当時の人たちの色彩センスにも脱帽です。モザイク画は費用がかかりすぎるので、いつの段階でか失念しましたが安価なフレスコ画に切り替わったそうです。
なんだかずっとアドレナリンが出っぱなしですが、どうか飽きずに次のVOL.2までお付き合いのほど.....。