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<15/Settembre(9月)/2004> a Ravenna vol.2 <2004年9月15日(水)>


さてさて、興奮冷めやらぬ状態のまま、ずんずん次へと参りますよーぉ。
町をほぼ南北に横断するメイン通りVia di Romaへ出て、南下して間もなく、円筒形の鐘楼を抱えた聖堂が見えます。こちらはサンタポッリナーレ・ヌォーヴォ聖堂。聖堂自体は6世紀に建てられ、年季は感じるものの、色といい造りといい、何てことない佇まいなのですが......。
いやーー、またまた参りました。 広大な内部の両側の柱廊の上にはびっしりとモザイク画で覆われていて、その迫力ったらもう、うひゃーっとかどひゃーっという言葉(とは最早言えませんが)しか出てきません。加えて金箔の格子の天井も、更に全体の華やかさを際だたせています。

▲よく見ると、壁のモザイク画はそれぞれ三層に分かれていて、やはり一番下層の長い行列の絵に目が釘付けになります。祭壇に向かって左側が”東方三博士に先導されて聖母子に貢ぎ物を捧げる22人の聖女達の列の図”で、右側が、”ラヴェンナから出発してキリストに貢ぎ物を持って行く26人の殉教者の列の図”。さきほどのサン・ヴィターレ教会の皇帝と王妃の絵もそうですが、明確に男女を分けて描かかれているのにも興味が湧くところです。
この旅から帰国して半月ほど経った頃、偶然BSテレビで”最後の晩餐”というテーマで映像だけを流す早朝の番組を見ました。そこに、このサンタポッリナーレ・ヌォーヴォ聖堂の壁画が映し出され、この三層に分かれた絵の一番上のどこかに、作者不詳の”最後の晩餐”(2匹のお魚をみんなで囲んでました)のシーンが描かれていたのです。あ〜ん、先に知ってればちゃんと見たのにぃと、ちょっと悔しい.....。

1つだけぽつんと町はずれにあるサンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂には、Via di Romaあるバス停から4番か44番に乗って行かねばなりませぬ。バスに揺られて10数分ほどで、左側に広い平原の中ににょきっと聖堂が建っているのが見え、次のバス停で下車します。運転手さんは、少し離れた帰りのバス停もちゃんと教えてくれました。

 
▲大理石の円柱や柱頭には美しいレリーフが彫られていて、更に柱廊の向こう壁一面のフレスコ画も美しいのだけど、やっぱりモザイクにずんずん引き込まれます。祭壇の壁と天井一面に、キリストとそのそばに並ぶ羊で表された12人の使徒がとても愛らしく描かれており、若草色など緑の濃淡が本当に鮮やかで美しく、またまた溜息がほーっと出るばかり....。

はぁー、本当になんて素晴らしいんだろう....とすっかりモザイク画に心を奪われてしまった私。教会を出てバス停に向かって歩きながらふと下を向くと、わぁっそうだ、これも一種のモザイクだわと思わずパチリ。
以前、この石を敷き詰めている作業を間近で見たことがあるのですが、ほんとかなり適当に並べてるんですよ、彼らは。でも、ちゃんと左右シンメトリーの波状に出来上がるんですよね....。これもDNAってやつかしら。


▲1時間に1本しかないバスをひたすら待ち、やっとこさチェントロに戻ったのが夕方6時。改めて、インフォメーションでもらった地図を見ていると、ガイドブックにでは出ていないモニュメントがあと1つ残ってます。おしゃれなショッピングストリートVia Diazから細い路地を入ったところにぽつりと建つアリアーニ教会。八角形の小さな朽ちかけた教会の中は、侮るなかれ、金を背景にした、キリストと貢ぎ物を持った12使徒のこんなに立派なモザイクが。もう最後の最後まで見せてくれます。
ちなみに、この教会だけは無料で、他の各モニュメントは共通券(6.5ユーロ)が必要です。

▲ラヴェンナは、フィレンツェを追われた詩人ダンテが身を寄せた町としても知られていて、この地で亡くなったためダンテのお墓も存在します。しかし、完全にモザイクに骨抜きにされた私はダンテの墓には目もくれず、まだ他にモザイクが隠れてないかと、通りがかったサン・フランチェスコ教会にクローズぎりぎりで入りこみます。地下の床にほんの少しだけ残っているのを見て、司教さんに追い出され、すごすごと退散....。右写真は、あるジュエリー店のウインドウで見つけた漢字デザインのペンダントトップ。「和」「幸」「徳」なかなか渋い選択ですなっ。

▲すべてのモザイク遺産を見終わり、大満足で夕食へ。「北イタリアでおいしいものを食べる、買う」という本に出ていたお店に行ってみました。そして、その本に出ていた、ロマーニャ地方の伝統料理パッサテッリを食べてみました。写真左がそれで、パンと牛の骨髄とパルミッジャーノとナツメグなどを混ぜて作ったパスタをブロードに浮かべていただくもの。材料からしていわゆるパスタのような歯ごたえはなく、ふわっと舌の上で溶ける感じで、でもしっかり牛のだしが効いていてすごくこくがあり、優しいブロードと本当に良く合います。セコンドは、カメリエーレにオススメを聞いて、牛ヒレ肉のバルサミコ酢煮をいただきました。暗い店内で見ると真っ黒で得体の知れないものに見えますが、これもまたブォーノ!バルサミコ酢の香りがぷんぷんして食欲をそそり、またこの酸味が絶妙!オリーブオイルをたっぷりかけたパンが添えられ、これとの相性も抜群です。
シンパティコ(親切な)なおじいちゃんカメリエーレ、うれしそうに店の奥から1冊の本を持ってきました。「北イタリアで〜」のその本そのもの。ははっ、コレ見て来ましたぁっと告白タイム。
▲ドルチェももちろんいっちゃいます。こちらもカメリエーレオススメ、カラメルたっぷりのプリンです。濃厚!美味い!!更に、このお店オリジナルの食後酒”NOCINO”をいただきます。クルミがベースなのでアマローネに近い甘めの味で、ほのかなレモンの香りがさわやか。なみなみとついでくれたけど、さすがにちょっときつくて半分でギブアップ。ハウス赤ワイン(微炭酸)ハーフとお水で締めて42ユーロ(約5800円)。満足ですっ!
Trattoria al Cerchio
Via Cerchio, 13  tel:0544-217396

あーお腹いっぱい。心もいっぱい。本当に感動的な1日でした。あのモザイク工房に修行に来ようかとまで思うほど、モザイクにはまった1日でした。
明日は、一旦ボローニャへ戻り、モデナを訪れます。