旅日記(オススメレストランやホテル情報もあり) 今月のお土産プレゼント 店主のつぶやきBlog 店主のひとりごと イタリア語のお勉強中の方へ ミラノ情報・2003年〜2005年 美味しいレシピ満載です! リンク集 フィレンツェのホームステイをご紹介しています お買い物代行承ります 翻訳サービスはじめました 直接商品をご覧いただけます
 
HOME > 旅日記
 
 

<13/Ottobre(10月)/2005> a Siena e Montepulciano <2005年10月13日(木)>

毎日、早寝早起きで気分も爽快!
今日は2都市を回らねばならないので、気合いも十分。

シエナへは今回初めてプルマンで行くことにしました。フィレンツェ駅西側のSITA社乗り場へ向かいます。駅から少し離れていて通りからも奥まっているので、見逃しにご注意。
7時45分発シエナ行きラピダ(急行)は6.5ユーロなり。 この時期の日本では早朝のような陽が優しく差し込む車窓から、トスカーナの穏やかな田園風景を望んでいるうちに、あっという間なカンジで9時にはシエナ・グラムシ広場に到着〜〜。まずはモンテプルチアーノ行きの乗り場確認と切符の確保をと、地下の切符売り場に行ってみると、列車の駅前からの出発とのこと。あ〜ん、遠いよーー。

次の便が13時10分までないとのことなので、まぁコレも幸いと、お目当ての画廊等でポスターの買い付けを済ませ、ずーーっと上りたかったマンジャの塔(右写真)への登楼もかなうことに。今日はいいお天気だし、絶好の景色が望めるに違いないっ!と、はやる気持ちを抑えながらも10時OPENと同時に塔の入り口へ。
切符売り場は、入り口から少し階段を上がったところの少し広いスペースにあり、何と荷物預けのロッカーまで完備されています。と言うのも、有無を言わさずカメラのみしか持って上がれないのです。後でその理由を痛感することに.....。


▲カメラとメモをコートに突っ込んで、階段を上り始めた途端、あまりの狭さに絶句。太っちょさんは絶対無理。通れません。しばらく続く石の階段は、暗い上に左右の壁がかなりの圧迫感で迫っていたかと思うと、途中から開放的な空間になった〜とほっとするのもつかの間、階段が木製に変わり、下も左右も全部見えて怖すぎる〜〜〜〜っ。猿と何とかは高いとこが好き、のさすがの私も、腰が引けて足もすくみ、手すりにしっかりしがみついてました。これは終始荷物なぞ持って上れませんわ。あぁ、写真だとその恐怖感が伝わらなくて残念....。
右写真は、塔のほぼ上部からのぞいたカンポ広場。マンジャの塔の影が絵になってるぅ!


▲しかし、やはり頂上に着いた瞬間は、それまでの恐怖も吹っ飛ぶというもの。カンポ広場にかぶさるように映る塔とプッブリコ宮殿の影が妙に気に入って、ずーっと飽きずに身を乗り出して眺めてました。(コワッ)
ドゥオーモと鐘楼もよっく見えます。でも、ファサードがただ今修復中のようで大きな幕に覆われていました。んじゃ今回は行くのやめよっと。4年前に来たときは、ドゥオーモ横の付属美術館頂上に上ってこちら側を見たのですが、全貌としてはやはりカンポ広場を見る側の方がポイント高いかなぁ....。<その時の模様はコチラ>
塔を下りると、あっという間に登楼希望者大行列! 人数制限されているのでしょう。やはり朝イチがオススメです。
あぁそれにしても、一気に体力消耗しました.....。こりゃ早いとこ、イタリア中の高い場所を制覇しなくちゃ。


▲シエナと言えば、800年以上も続く伝統行事”パリオ”が有名ですが、パリオとは、シエナの旧市街で区分けされている17の地区(コントラーダ)の地区対抗競馬レースのお祭りのこと。 コントラーダはそれぞれ動物などのシンボルを持ち、色も決まっていて、例えば、ふくろうなら赤と黒、狼なら白と黒、芋虫なら黄色と緑....などというふうに。そんな色とりどりのシンボル達の焼き物などがあちこちのお土産屋さんで見ることができます。
そろそろ駅に向かわねばという時間になり、なんでもいいや、と入ったBARで、何と昼前からビールを飲んじゃう〜♪
色の美しさに惹かれたパテがたっぷりのったクロスティーニを2ケとでプチランチ。
さきほどバスを降りたグラムシ広場からほど近い通りから、シエナ駅行きバス17番と77番が出ていて、駅まではほんの5分ほどで到着。


▲シエナ発モンテプルチアーノ行きプルマンが、トスカーナの雄大な風景の中をずんずん南下していきます。マルケ州の丘陵地帯も良かったけど、やっぱりこのシエナ周辺は格別だ〜〜。どこを切り取っても、まるでポストカードから飛び出してきたかのように絵になります。約1時間半後、7月にNHKの「世界遺産の旅」で生中継で紹介されたピエンツァ(陣内先生がチーズ転がししてました)に一旦停車します。そう、今回、このピエンツァとモンテプルチアーノとですんごく迷ったのでした。お庭のきれいな家々が立ち並ぶとってもカワイイ町で、またこうしてシエナから来ればいいんだわ〜と、次回の旅計画もこれで決まり!?
ピエンツァを出てほどなくして、少し外れの斜面に建つ白い教会と赤茶けた町が間近に見えてきました。

15時前、モンテプルチアーノの大きなバスターミナルに到着!そこからは、チェントロ(中心地)までのミニバスも出ているそうな。
とりあえず、ホテルにチェックイン.....と。お〜、偶然にもバスターミナルとホテルは目と鼻の先。こりゃ帰りも便利だわ。
バスタブはないけど、ダブルベッドでお部屋も広々と快適♪朝食込みで1泊52ユーロ(約7,200円・venere.comにて予約)は、やはり地方ならでは。
HOTEL GRANDUCATO
Via delle Lettere,62   http://www.hotelgranducato.it/

ホテルから出てまもなく、駐車場スペースとなっているドンミンツォーニ広場が、その向こうにはこの町の旧市街の入り口であるプラート門が見えます。
既にもうこの辺りから、観光地の匂いがプンプン。
随分前ですが、よく似た名前のもう1つのワインの里、モンタルチーノを訪れたことがあります。城塞が印象的なとても静かなところで、お店もエノテカ(ワインショップ)もまばらにあるだけ。そのイメージで来たので、ここの観光地化ムードはちょっと予想外でした。


▲門から続くメインストリートには、エノテカやらトスカーナのご馳走であふれる食材店やらが建ち並び、いきなり興奮状態に。きょろきょろしながらひたすらゆるやかな坂道を上っていきます。


▲町の一番高いところで中心地でもあるグランデ広場に建つドゥオーモ。荒削りなまま残されたファサードに対し、内部の窓にはめこまれた聖人を描いたステンドグラスがとても美しく印象的。右写真は、ドゥーモに向かって右側に建つ市庁舎。フィレンツェのヴェッキオ宮殿に似ていると聞いて楽しみにしてきたけれど、似てるっちゃあ似てるかなぁ......。かーなりピッコロ(小さい)だけど。でも実際にフィレンツェの建築家がヴェッキオ宮をモデルにしたのだそうです。
他にも、広場は、ルネッサンス建築の宮殿(現在は一部カンティーナやエノテカにもなっています)にぐるりと囲まれていて、小さいながらもとても威厳にあふれた素敵な空間です。一角に設けられたテラスでは、ノヴェッロ(ボジョレー・ヌーボーのイタリア版)に舌鼓を打つツーリストたちもちらほら。各エノテカでも誰かしら店先で試飲を楽しんでいて、何だか町のみーんながほろ酔いに見えてきます(笑)。あぁ私も試飲したい〜でも1人じゃなんだか入りづらい〜。それにしても、欧米人の多いこと!イタリア語より英語の方がよく耳につきます。あ、日本人も9人ほど見かけました。
ちなみに、市庁舎では塔の上まで上ることができます。あまり高い地点ではないけれど、私も当然上りに行きました。が、細かいお金(入場料1.6ユーロ)がなくて切符売り場でもおつりの持ち合わせがなく、崩して戻ってくるわ〜と言って外へ出たけど、気が変わって戻りませんでした。


▲町の端から端までは約20分で到達。ちょうど町の終点地によさげなカンティーナ(ワイン貯蔵庫)があり、後で寄る楽しみを残して、先に、来るときにプルマンから見えていた白い教会の方へ足を伸ばしてみます。その教会はガイドブックにもちゃんと紹介されてはいますが、animataのお客様でトスカーナが大好きなKさんに「旅の神様の教会ですからぜひ行ってきて!」と教えていただきました。町の西側にあるグラッスィ門からひたすらひたすら急な坂道を下りていきます。ふと振り返ると.....行きは良い良い帰りは怖いだぁ....。大きな墓地の横を通りすぎ、広大なパノラマを励みに本当にひたすら下っていくと、やっと教会のクーポラが見えた!

▲やーっと到着。マドンナ・ディ・サン・ビアージョ教会です。アンコーナのドゥオーモと同じギリシャ十字形のカタチをしていますが、それよりも後に建てられたこちらの方が、聖堂建築の原型と言われてるんだそうです。素人にはその辺りの解釈がよく分かりませぬが....。本堂に隣接する塔が、片方は未完成のまま土台だけ残されています。”旅の神様”という記述は見あたらなかったのですが、Biagio(ビアージョ)と旅のViaggio(ヴィアッジョ)を掛けてるのかしらん、と思ってみたり(んなあほな?)。でもしっかり、この旅が無事に終えるよう祭壇に向かってお祈りしました。


▲同じルートを今度はひたすら上り上って町へ戻り、さきほど気になったカンティーナ”Gattavecchi”に行ってみました。後で分かったことですが、けっこうそこは有名なワイナリー直営のエノテカだったようで、色々な雑誌に紹介されていました。お店に入ると、おばあちゃんが1人でお留守番。早速試飲させていただきました。ノヴェッロからリゼルヴァ(熟成期間3年以上のもの)まで少しずついただきます。一口で気に入ったVino Nobile di Montepulciano 2000年(14ユーロ・1960円)を1本だけ購入。荷物の重さを考えるとやはりこれまで。このGattavecchiのワイナリーがこの町の近くにあるそうで、おばあちゃんはそこで50年も勤め上げたそう。説明にも力が入ってます。何年かは聞き取れなかったのですが、隣にある教会自体のカンティーナを利用し、改装してGattavecchiのカンティーナとしてここに開いたんだそうです。


▲そこでおばあちゃん、ちょっとおいでおいでと店の奥にあるカンティーナに案内してくれました。わ〜い!樽だ樽だ〜!
こんなに地下深く奥深くまでスペースがあるなんて....貯蔵庫の造り自体も年季が入ってます。
もうこれですっかりモンテプルチアーノを満喫した気分♪


▲一旦ホテルへ戻り、フロントのおねーさんに「この辺でオススメのトラットリアかリストランテはどこかしら?」と聞いたところ、「たくさんあってぜ〜んぶ美味しいからどこって言えない」と言われてしまいました。んじゃ、ホテルから近くてお手頃なカンジで....と探し歩いた結果、「歩き方」にも載っている”Il Cantuccio”へ。

この地方一帯の名物パスタ”ピーチ”のトスカーナ風ソースと、猟師風いのししの煮込み(ボッコンチーニ)をいただきました。ワインは、いつものようにハウスワインをデカンタで1/4を頼もうとしたら、ボトルしかないとのこと。え〜1本は飲めないよ〜と訴えたら、ハウスワインなら残ったらボトルごとお持ち帰りが可能だそうで、そうすることに。本当はワインの里ならではのもっと美味しどころといきたいところですが、残していくのも癪だしなぁ〜....。
でもでも、デッラ カーザ(ハウスワイン)でも十分十分!Buonoですわ。そして、ピーチもブォニッシミ!(ベリうま)うどんみたいなもちもちした食感も日本人好みだし、ラグーも美味しい〜〜。いのしし煮込みは、どうも塩がきついんだけど、付け合わせのポレンタも美味しくて、まぁ満足度高し。
結局、当初の1/4を超えてももちょっとワインが飲みたくて、この地方の季節のチーズを少しだけオーダー。ハードのペコリーノ(雌羊の乳から作られるチーズ)はよくあるけれど、そのフレッシュ版が出てきて感激!美味いぞ!
お水とカッフェでしめて41ユーロ(5,700円)なり。

IL CATUCCIO RISTORANTE
Via delle Catine,1 月曜休み

結局半分弱残ったワインのボトルをそのままお持ち帰りしましたが、ホテルに帰る道々、でもこれどうしよう〜....、これ以上飲めないな〜...、明日フィレンツェに持って帰るのもな〜....とぶつぶつ考えていたところ、フロントが気のよさげな黒人のおにーさんに替わっていて、「はい、プレゼント!もう酔っぱらってこれ以上飲めましぇ〜ん」と言って差し上げました。心から喜んだかどうかは謎ですが、とりあえず「グラ〜ッツェ〜!」と陽気に笑って受け取ってくれました。

明日はまたフィレンツェに戻ります!

*Sienaの過去の旅はコチラ!2001年10月2003年5月