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《 zio の La piccante vita 》 -QUINTO-(2001/09/26)   <バックナンバー>

Salve tutti! (サルヴェ トゥッティ!/こんにちは)
Come andiamo? (コメ アンディアーモ/調子はどうかな?)
Da tanto che non ho aggiornato questa pagina perche ero un po' incogliognito e avevo perso per
un'attimino la motivazione. (ダ タント ケ ノン オ アッジョルナート クエスタ パージナ ペルケ エーロ ウン ポ インコリョニート エ アヴェーヴォ ペルソ ペル ウナッティモ ラ  モティヴァツィオーネ/ ずいぶん長いことこのページを更新していませんでした。なぜなら、ほんのちょっと×××だったのと、モチベーションをちょっとの間失っていたのが原因です)
                            ※
 いや〜、申し訳ない。店長のヨリさん、そして読者(?)のみなさん。夏休みの間に、たくさん刺激的な体験をして、楽しいレポートをみなさんに送ろうと思っていたのですが、予定が二転三転してしまい、結局どこにも行かず何もせずの夏だったのです。
 一年で一番"piccante"(ピッカンテ/刺激的な)な季節だったのに、すっかり引きこもりになってしまって、まったくやれやれです。

 さて、久しぶりの《 zio の La piccante vita 》ですが、何しろ新ネタがないもので、ちょっと古めのネタですが、勘弁してやってください。今回のネタは、"anti-proibizionismo"(アンティ−プロイビツィオニズモ/反麻薬禁止論)です。古いネタにしては、なかなか"piccante"なネタだと思いませんか?
 なにやら、日本では有名芸能人たちが次々と大麻やコカイン所持で逮捕されているみたいじゃないですか。まあ、そんなこんなで古いながらも実はちょっぴりタイムリーかな〜、なんて思ったもので、ちょっと内容的には"piccante"過ぎるかもしれませんが、少々お付き合いください。

この写真を見て、みなさんは何を想像しますか?
夜の野外だったので、写真があまり鮮明ではありませんが、まあ、乱痴気騒ぎが行われていることくらいはわかりますよね。
この写真は、今年の6月にボローニャで行われたレイブ・パレードの模様なんです。このレイブ・パレードには、イタリア各地から有名なDJが自慢のTIR(巨大アンプやDJブースを積み色とりどりに飾り付けられた改造トラック)をひっさげて参加しており、夕方あたりからガンガン音楽を流しながらボローニャの町を練り歩くというもの。そして、このパレードの趣旨が、先ほどの"anti-proibizionismo"を訴えるデモ行進になっている訳です。
レイブというお祭りの性格とパレードの趣旨が趣旨なだけに、集まった若者たちはそれはそれはみなさんすっかりハイになってらっしゃって(笑)、もうまさに『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損!!』でした。

巨大なスピーカーから流れるフルボリュームの音楽にあわせて、みんな我を忘れて踊っている様を見ていると、あきれるのを通り越してなんだか神秘的な気持ちになるくらいでした。

この馬鹿騒ぎは、一応"anti-proibizionismo"を訴える政治的なデモでもあるわけで、お役所から許可が下りているというところが、何ともすごい。パレードの最後尾には、警備と治安維持の目的で、なんとカラビニエーリ(警察官)がくっついて歩いているのですから。普段、麻薬がらみの犯罪に厳しい目を注いでいるカラビニエーリも、この晩だけは手出しできないといった状態です。

たぶん、というか、日本では絶対にあり得ない光景ですよね、これって。でも、何で日本では起こりえないんでしょうね。第一、若い人たちがデモ行進すること自体、ないですもんね。
この夜の経験だけじゃないですけど、こっちの人たち(イタリア人をはじめとする西欧人)を見ていると、あきれるくらいエネルギーに満ちあふれている様に思えるんですよ。もちろん良い意味でも悪い意味でも。
ものすごいわがまま、というか自己中心的に物事を処理する人たちが多くて、弱気になっていると全て彼らの言いなりにされてしまいそうになることが多いな、と。
でも、だからといって「イタリア人って、すごく自己中心的だから気を付けないと」と決めつけるのも間違っているような気がするんです。というか、日本で生まれ育った私が、自分の我を通せずにいるだけなんですよね。つまり、自分の欲望とか願望とかエゴとかそういったものを表に出すことをためらってしまっているだけなんですよね。
この場で、どちらが正しいなんて言えませんし、言う必要もないのですが、ひとつだけ重要と思えることがあります。それは、お互いの状況を把握し、そして学び合うことです。たとえば何かを変えたいと思ったとき、仮に相手が体制であろうともみんなで力を合わせて立ち上がれば変えることができるかもしれない、少なくともその意志を伝えることができる、という手段があることを学べると思います。

この夜、ボローニャの中心でありレイブ・パレードが最高に盛り上がったPiazza Maggiore(ピアッツァ・マッジョーレ)に集まった若者たちの内、何人が真剣に"anti-proibizionismo"について関心を持っていたかはわかりません。しかし、少なくとも彼らは参加していました。今はまだ、イタリアでも"anti-proibizionismo"を支持する人たちはマイノリティでしょう。しかし、このパレードに参加し"anti-proibizionismo"のメッセージを受け止め、自分を取り巻く政治に無関心でいられなくなる若者がいるかもしれません。もしかしらた、5年後、いや10年後、この国の法律が変わっているかもしれません。
 そしていつか私たちの国も…