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<11/Ottobre(10月)/2003> a Locorotondo e Cisternino e MartinaFranca <2003年10月11日(土)>

アルベロベッロの駅に着いたはいいけど、なんと駅内で切符を売っていない。少し戻った先の新聞屋さんで買えとのこと。なんて駅だ。戻って探すがそれらしきお店はない。時間も迫ってくるし、えーぃ、バーリからアルベロベッロに来る際に買った切符に70キロ区間までOKって書いてあるし、これで行ってやれ!とそのまま乗っちゃう。検札の人にも見せたけど何も言われず。(でも、実際はロコロトンドまでは72キロだった。がはは)
一駅だけなので、11時10分着。

駅を出て右手にまっすぐ道なりに、ゆるやかな坂をcentro(中心街)→の表示に向かって歩いていくと、なんとも華やかな電飾アーケード通りに出ます。こりゃ夜はきれいだろうなぁ...でも、ナターレ(クリスマス)でもないのになんでこんなに飾られてるんだろう...とぶつぶつ言いながら坂道を上りきると、地元の人たちが集う小さな広場に出ます。
広場に面して小さな教会があり、てっきり、これがかの、内部が黄金色に輝く最も明るくて美しいドゥーモかぁーと思いこみ、中へ。確かに明るいけどそれほどでもないなぁ....と思いつつ、すぐに外へ。この思いこみが後で悲しい思いをもたらすことになるのであった....
袋小路の多い迷路のような町の中を歩いてみると、石灰できれいに塗られた白い建物たちの美しさもさることながら、外階段がふんだんに取り入れられたアプローチやトンネルのように連続したアーチが、リズミカルでエレガントな空間を作りだしていて、その美しさにうれしくなります。植木鉢やバルコニーの色も装飾もすべてアクセントのように映えて、どのカットを撮っても絵になるので、カメラの腕が上がった気さえします。
建築に興味のある人には、かなり見応えがあるところではないでしょうか。


▲広場に戻り、目の前の小さな公園からイトリアの谷を望むと、たくさんのトゥルッリが点在しているのが見えます。ランチまで時間もあるし、思い切って谷に降りてみることにしました。オリーブ畑の中に続く通路をひたすら歩きます。日陰もなくかなり暑くてちょっぴり後悔....。でも、こんなところを1人で歩く東洋人に不信感を持つでもなく、気さくにブォンジョールノ!と声をかけてくれる村の人たちに触れられて、また元気になれるというものです。トゥルッリは、住居や倉庫として現役で使われているものもあり、朽ちてほったらかしにされているものもありで、放置のものでどこか侵入できないかしらと探してみたのですが、柵や門などで厳重にクローズされていました。

結局、1つの村を一周して、また坂道を上ってさっきの広場へと戻り着いたのが12時15分。ふと、さっきのドゥオーモと思いこんでいた教会を見上げ、何気なく、広場で日向ぼっこっしていたおじいちゃんに「これってドゥーモですよね?」と聞いてみると、「うんにゃ、違う。ドゥオーモは向こうじゃ」と言うじゃありませんか。「エーーー!!」とショックを受けながら、案内してくれるおじいちゃんについていくと、迷路の道を抜けて突如現れた、もっと迫力のある教会。こっちがホンモノだったぁぁぁ。って別にさっきのが偽物というわけではないんだけど...。
時既に遅しで、お昼休みでなんと4時までクローズ。誰もが感動すると言う明るく美しいドゥオーモ....。エーン(泣)。かなり迷いました。ここで4時まで待てば、この後のチステルニーノもマルティーナ・フランカにも行けなくなる。かといって、再度この町に足を運ぶ時が来るだろうか。
結局、きっともう一度ここに来るようにというお達しかも知れない!と楽天的発想のもとに、予定通りのスケジュールを決行することに決めたのでした。それにしても鈍くさい私。な〜んかおかしいと思ったのよね〜。だったら先に聞きなさいっ。


▲12時を過ぎた途端、一気に人気がなくなって閑散とし出した町の中を、とぼとぼランチを求めて歩き回り、ごくごく普通のトラットリアに入ってみました。付きだしで出てきた黒オリーブをばくばく食べ、タラッリと呼ばれるオリーブオイル風味の乾パンも美味しく、アンティパストにまた頼んだ各種チーズたちに舌鼓を打ち、徐々に元気を取り戻す私。右写真は、プーリア州名物のオレッキエッテという手打ちパスタ。トマトベースのソースとからめてあって、田舎っぽい素朴な美味しさでした。
酔い覚ましに公園を散歩するも、さっきまでベンチというベンチに座っていた人たちは、みーんなお昼を食べに家に戻っているのかだーれもいなくてちょっと淋しい... 
14時19分発の列車に乗るべく、駅に戻ります。しかーし、駅内も昼休みで切符は15時以降しか販売できないとのこと。駅員のおじさんたち、中でくっちゃべってるくせにぃぃ。まぁ、列車の中で買えるというので大人しく待っていたのですが、予定時刻を過ぎても列車が来る気配なし。目的のチステルニーノに行くには、隣り駅のマルティーナ・フランカで乗り換えないといけないので、1時間に1本しか便のない状況ではかなりどきどき...。

結局、30分遅れで到着。進行方向に向かって左側の窓から、ロコロトンドの全体像もかろうじて撮影に成功。ぽっかりと浮かぶ真っ白なその町は、白く大きなティアラのようでした。肉眼でもっとしっかり目に焼き付けたかった.....

30分遅れだったので乗り換えも諦めていたところ、マルティーナ・フランカ駅ではちゃんと待機してくれていて、ラッキー!
おまけに、検札の人に「切符が買えなかったので、ロコロトンドからチステルニーノまで買いたいんだけど」と言っても、ふむふむうなずくだけで何もしようとせず、結局「ベーネ、ベーネ(OK、OK)」と言われて降りてしまい、またラッキー。
当初の予定より13分遅れで、チステルニーノに到着。
ここも丘上都市なので、駅からはかなりの坂道を上ることになります。

ここもロコロトンドと同じく、狭い迷路のような道の両側に、そり建つようにして建つ白い漆喰壁の家々に囲まれ、絵はがきを見ているような町でした。ただ、ちょうどここも昼休み時なので、人気もなくお店も閉まっていて、白さと相まって静けさも一層際だっています。
いわゆるドゥオーモもなく、1階がBARになった時計塔がひっそりと建つだけの小さな広場にも誰もいません。
丘上都市ならではの見晴らしのよい公園が1つあって、そこにはおじいちゃん3人組がのんびり日向ぼっこをしている様子。唯一ほっとする空間でした。滞在時間は、最短の40分間。
チステルニーノ駅ではまた列車の遅れにイライラさせられ、40分遅れでお隣りのマルティーナ・フランカ駅に到着。駅からはバスもTAXIも出ていないようなので、歩いてチェントロへ。人に聞き聞き、20分ほど歩いてやっとドゥカーレ宮殿前の広場に到着。緑や噴水などでかなり洗練された雰囲気の大きな広場から、旧市街への入口になるこの門をくぐります。ドゥカーレ宮殿は、現在は市役所として使われているとのことで、そのまま素通り。
▲旧市街のメインストリートと言われるヴィットリオ・エマヌエーレ通りを進んでいくが、なんとお昼休みが5時までという店も多く、ちょっと閑散としています。しかも短くてあっと言う間に次の広場に到着。町自体は、大きな建物にはロココ調の装飾が施された美しいものが多く、かなりおしゃれな印象を受けます。一歩脇道にはいると、他の白い町同様、迷路のような狭い道と白い壁に知らないうちに囲まれます。<br>
写真は、サン・マルティーノ教会。外観も内部も装飾の見事さに目を見張ります。内部の壁のグラデーションもきれい.....

プレビシート広場からのぞくサン・マルティーノ教会。この広場も広々として美しく、テラスのあるカッフェもいくつかあって、小休止にもいい場所です。
▲袋小路にあたふたしながらも一旦大通りに出て西に向かってひたすら歩くと、カルミネ教会が堂々と建っているのが見えます。中に入ると、西側に3つもある窓から差し込む光が、眩しいくらいに教会内を明るく包み込んでいて、まずその明るさにびっくりします。クーポラの六角形の格間も華麗で美しく、南イタリアの教会たちの方が総じて光を上手に取り入れ、内部の漆喰壁の美しさを際だたせているような気がしました。

▲撮っても撮っても気になる白い町特有の家々の造り。植木も扉もなんでもアクセントになっちゃう。外階段も、無秩序のようでいてなんとなくお隣りとのバランスが取れてるように見えるのは、良く見すぎ?
右写真は、狭い通りにいきなり現る、バロック様式で重厚感たっぷりのサン・ドメニコ教会(だと思う)。こんな風に、バロック建築が花開いたこの町では、なんでもない通りに、凝ったレリーフや彫刻が特徴的なパラッツォ(邸宅、大きな建物)が点在していて、これらもこの町を見る楽しみになります。
18時も過ぎると、広場も道も俄然賑やかになってきました。やはり南はどこも夜が遅いようです。
無事予定通り、バーリ行きの最終列車に乗り、9時35分バーリ駅到着。うーん、さすがに疲れたぁぁ.....

この旅でまた、イタリアへのイメージがいろんな意味で広がりました。シチリアを訪れた時のように、多少カルチャーショックも受けました。独自の文化を持った小さな国の集まりであることを、更に認識。まだまだ行き続けますよ〜〜