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<17、18/Ottobre(10月)/2006> a Milano e Pavia <2006年10月17、18日(火、水)>

体はけっこう疲れているはずなのに、相変わらず4時に一旦目が覚めちゃうんだなぁ.....

昨日、シエナに向かうバスの中から、朝陽を受けた幻想的なアルノ川の景色を見て、明日もいいお天気そうなら絶対この景色を撮りに来るぞーっと思っておりました。
そして今朝、フィレンツェとのしばしのお別れ記念に、しっかりと写真と目に焼き付けて参りました。
夕暮れ時のまったりした景色も好きですが、空気中の塵が全て洗い流されたような清々しさを感じるこの時間帯は、アルノ川沿いの町並みがまた一層美しく見えるのではないかと思います。再会を誓い、早々にミラノに向けて出発します。
その前に、ヴィチェンツァ駅でMARIと会うため、パドヴァ回りで移動します。今回は、ミラノでの他の予定もあり1時間ほどでMARIと分かれ、ミラノには3時頃到着。再びホテル スターにチェックイン。

で、いきなり夕食風景です。
ほんとは行ってみたいお店があり、サン・バビラ広場にほど近い場所だし大丈夫かな〜と探しているウチに、どんどん暗くて人通りが少ないところに入っていきそうで、到着日にリムジンバスで乗り合わせた在住歴20年の日本人の方の「夜道は気を付けて」が妙に気になり、潔く引き返しました。結局、メルカンティ広場のカッフェで妥協。冷凍もんだなーと明らかに分かるラザニアと生ビールで最後の晩餐.....。
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さて、ついに帰国日となりました。朝のニュースでは、昨日の朝起こったローマの地下鉄事故の詳細が伝えられています。つい半年前に母達を連れて何度も利用しただけに、とても人ごとではなく、1コでも多く情報を得ようと必死で聞き取りを試みます。22回の訪伊歴の中で、本当に幸いにも一度も怖い目にあったことがなく、運や神様に感謝してもしきれないほど。こんな免疫ゼロの私が、例えば一人でこんな事故にあったら、全く対処できないだろうなと想像するだけで恐ろしい....。

帰国日に、もし余力が残っていてお天気も悪くなければ行こうと思っていたところがあります。それは、パヴィア修道院。
ずっと見に行きたいと思っていたのですが、休館日の月曜日がネックでなかなかスケジュールが合わず、やっと今回実現の運びとなりました。
▲修道院までは、ミラノから直接プルマンで行くのが便利そう。まずは地下鉄2線でFAMAGOSTAへ。地上に上がる前にキオスクで切符を買っておきます。地上に上がると予想以上に大きいバスターミナルがあり、ガイドブックにあるとおりSGEA社の標識の立つ乗り場を探し、そこでしばし待つ。が、いつまで経っても待ち人は私だけ。さっきから何台も青いバスが私の前を通り過ぎてターミナルの中央の方に停まってくしー。むむぅ....。試しにそちらの方に行ってみると、この標識よ↑。なーんだー、バス会社名違うし((-_-)。
念のため、運転手さんに”Certosa di Pavia”に行くかどうかを確かめ、無事に乗車。高速をずんずん走って30分も経たない頃、2個目の停留所(もちろんバス停名なんて書いてません)で停車したけどだーれも降りない。私もちーんと座っていたら、「チェルトーザ!」と運転手さんが立ち上がって私を探してくれました。あ〜良かった、聞いといて。

▲降りた途端「寒っ!」。ちょっと郊外に出ただけで空気の冷え方が違う?停留所と道をはさんで小さな石の門があり、そこからひたすらまっすぐ歩きます。間もなく並木道となり、なんとも静かでのどかな風景が続きます。だーれも歩いてないし。約15分ほど歩くと、並木道の突き当たりに、見えました〜!が、その瞬間.....ががががーーん.......。ファサードに幕が....。チェルトーザよ、おまえもか。
左側がちょこっとだけ見えてるとは言え、あまりのタイミングの悪さにちょっとめまいが.....。北イタリア一美しいロンバルディアゴシック様式と言われるファサードがぁ.....。

14世紀の末、ミラノの当主・ヴィスコンティ家の霊廟のために建てられたあくまでも私的な教会ですが、当時のヴィスコンティ家の栄華がしのばれる贅沢な造りは、ちらっと見える部分だけからもうかがえます。
▲色大理石の組み合わせとその中に施された緻密な彫刻デザインは、まるで総レース作りのカーテンを思わせます。門の入り口から教会の入り口までの中庭は、定規で測ったかのように美しく刈り揃えられた植え込みがお見事!

▲内部に足を踏み入れると、かなり暗〜い空間が拡がります。奥の方で仕切られた厳重な鉄扉の更に奥に、フレスコ画や祭壇画などを見ることが出来ます。また、ヴィスコンティ家の後にミラノの当主になったスフォルツァ家の三代目イル・モーロとその妻のベアトリーチェの墓碑が、仲良く並んで安置されています。大理石とは思えない柔らかなドレープの表現に、お二人には失礼なほど見入ってしまいました。。

▲象牙製の多翼祭壇画は、よっく見ると、1つ1つの窓の中に聖書や聖人をモチーフにした実に細かなレリーフでぎっしりと覆われています。教会からそのまま続く小回廊付き中庭に出て思わず声が上がります。一面に咲き乱れる真っ赤なベゴニアと手入れの行き届いた緑の植え込み、そして更にそれらを囲むリズミカルな柱廊とのコントラストの美しいこと!ほ〜〜っとする空間です。この回廊周辺には、手洗い場や食堂などがあり、かつでここで生活していた修道士たちの共有スペースとのこと。
▲更に、開けた空間の気配がする方へ...。100m四方は優にあるかと思われる若草色の見事な芝を抱えるこの大回廊付き中庭にまた感嘆の声を漏らします。煙突が見える小さな家のようなものは、修道士たちの僧房で全部で24個あります。一部だけ中に入れるようになっていて、とても簡素だけど思ったよりも広くて軽い驚き。暖炉付きの居間に寝室がついて、更に外に小さな中庭を持つ部屋も。玄関のこちら側はこんなに雄大な空間が広がっているし、意外に快適な修道生活だったのでは...と余計な想像をしてみたりする....。
修道院の入り口まで戻り、ここで作られた蜂蜜やオリーブオイル、お土産グッズなどを販売する売店にて、修道院の全貌が撮影された絵はがきと、今回の旅で各所で出会った中世の楽譜のポスターを購入。修道士たちが、ちょっとまったりとした動作で売り子さんと化していました。

ファサードはほんっと残念でしたが、思い切ってここまで足を伸ばして良かった良かった。
また並木道をひたすら戻り、降りたバス停のほぼ向かいにあるミラノ行きのバス乗り場にて待機。切符はすぐ脇にあるエディーコラ(新聞売店)にて購入できます。

お昼過ぎにはミラノに戻り、最後の散策。
いつだったか雑誌FIGAROで紹介されていた、最近注目のおしゃれエリアということで、地下鉄2線のサンタゴスティーノ駅から西側一帯のソラーリ地区を歩いてみました。もともと住宅街とファクトリーが隣接していた地区ということで、確かに、メイン通りひとつとっても親しみやすさとモーダな雰囲気が混在しているカンジ、かな。そんな中、ソラーリ通り(29番地)で多分最近できたかと思われるエッセルンガ(スーパー)をみっけ。なんと2階建て!すんごく豊富な品揃えで、お土産探しにも超おすすめです。

さて、昨夜行き着き損なったリストランテでランチです。確かに、路地の奥の奥ーにあり、こりゃきっと夜ひとりだと怖いわ....。
お店に入ると、リストランテかビストロのどちらがいいか聞かれます。ビストロと答えると、既に1階が満席だったので地下の方へ案内されました。地下の手前がビストロスペースで、クロスのない木のむき出しのテーブルでカジュアルスタイル。奥がリストランテスペースで、テーブルにはダブルリネンがしかれた高級な雰囲気。ちょっと面白いスタイルです。
この旅初の”お米”、リゾットアッラミラネーゼをいただきました。ハムのソテーのようなものが付け合わせで出てきて、こちらも妙〜に美味い。
お隣の席で男性二人が食べていたドルチェがとっても美味しそうだったので、私も頼んじゃいました。パンナコッタのバルサミコ酢ソースかけ。んんまーーい!
グラス白ワインとお水とカッフェでしめて25ユーロ(3,750円)なり。満足っ!ランチに最適なお店ができました。
  Taverna Visconti
  Via Marziale, 11(サン・バビラ広場からCorso Europaに入り、中程を左へ、更に3本目を左。つきあたりに近い左側)

▲こちらも休館日が月曜なのがネックでなかなか来れなかった”ポルディ・ペッツォーリ美術館”、やっと会えました。
マンツォーニ通りから10歩くらい中に入ったところに入り口があるので一見分かりにくく、私も1回通り過ぎました。
ここは、ミラノの貴族ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリのコレクションや一族から引き継いだ美術品などを、彼自身の邸宅に展示した美術館です。入り口で切符を買い(8ユーロ。さすが貴族様、お高いです)、荷物は1階奥に案内されたロッカーに預けます。ちなみに、日本語ガイドテープの貸出しもしていました。
ポッライウォーロ、ボッティチェッリ、ピエロ・デッラ・フランチェスカなどの有名画家の作品もさることながら、豊富なコレクションや調度品など、”モノ”が面白くて時間を忘れます。

こちらは、”時計の間”。16〜19世紀の日時計を含む膨大な量の時計が集められています。精巧で緻密で美しくて、なんて贅沢なコレクションでしょ。他に、15〜18世紀のアンティークの”ムラノガラスの間”や、金細工やジュエリー、クローチェ(十字架)などを集めた”金細工の間”は溜息もの....。木製や象牙の方位磁石も面白いし、1階奥の”アルミの間”は、ぎっしりと整列して立っている甲冑たちが怖かったぁ.....。

ミラノのおすすめスポットがまた1つ増えました。

さて、今回の旅日記もこれにて終了。次回は1月の予定です。るん♪