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Benvenuti alla lezione d'italiano di zio!! Vol.14 「大晦日はPiazzaで、Buon anno!」
                                      
(2000/12/26) <バックナンバー>

Ciao tutti! (チャオ トゥッティ!/やあ、みんな!)
Come avete trascorso il Natale? (コメ アヴェーテ トラスコルソ イル ナター レ/クリスマスはどう過ごしましたか?)
Vi siete divertiti?(ヴィ スィエーテ ディヴェルティーティ/楽しみましたか?)  

20世紀も残すところ数日です。今年の大晦日は今世紀最後の夜です。そこで、今回はイタリア風” l’ultimo giorno dell’anno ”(ルルティモ ジョルノ デッ ランノ/大晦日)の過ごし方&” capo d’anno ”(カポ ダンノ/元旦)の迎え方のお話。  

と言っても、今回勉強する言葉はたった1つ、” Buon anno ”(ブォン アンノ /明けましておめでとう)だけです(アリャ?)。みなさんに勉強してもらいたいのは、イタリアで大晦日→元旦をお金をかけずに現地の人々と一緒に100%満喫する方法です。まあ、平たく言ってしまうと「バカ騒ぎしましょう」ってことなんですけどね。

最近では変わってきているのかもしれませんが、日本の大晦日→元旦の過ごし方って静かなイメージがありますよね。ところが、イタリアのそれは全く逆。もう、それはそれはみんな大騒ぎなんです。どれくらい大騒ぎかっていうと、そうですね〜、隅田川の花火大会が開かれている横で、500組の夫婦が一斉に夫婦げんかするくらい(笑)。
でも、その大騒ぎの輪の中に入ってしまうと、意外や意外、結構楽しかったりもするんですよ。

まず、どんなバカ騒ぎが繰り広げられるか、ちょっと説明しますね。
あくまでも、 私が経験したバカ騒ぎなのでイタリア全土がそうだ、とは言えないかもしれませんが、 まあ程度の多少はあれバカ騒ぎはバカ騒ぎなので、コレは参考になると思います。

イタリアの大晦日は、夕食のパーティから始まります。パーティーの内容は大規模なものから小規模のものまで様々ですが、とにかくタラフク食べ、タラフク飲み、タラフク踊ります。でも、メインイベントはこのバーティーではありません。   

イタリアの各都市には、ドゥオーモの前だったり市庁舎の前だったりとシチュエー ションは違えど、例外なく市民が集まることができる大きな” piazza ”(ピアッツァ /広場)があります。大晦日の夜10時くらいでしょうか、徐々に” piazza ”に人が増えてきます。集まってくる人たちは先ほどのパーティーから流れてくるので、中にはタキシードやドレスをまとった人々も見かけます。そして、ほとんど全員の手に シャンパンやワイン、ビールなどのアルコール類が入った瓶が握られています。おし れな人なんかは、ちゃんとシャンパングラスも持参しています。みんな仲間同士でお酒を飲んで楽しく話しながら『その時』を待つのです。  

夜11時30分ごろ、” piazza ”は既に人であふれかえっています。警察の数も 増えてきます。どこからともなくクルマのクラクションが聞こえると、それが、まるで戦闘開始の合図かのように、他のクルマたちもガンガンクラクションを鳴らしまくります。そして” piazza ”に集まった人々の興奮も高まります。気の早い輩は、隠し持っていた爆竹に火を付けます。  
すると、今まで無秩序に群れていた人たちが、誰に言われたわけでもなく直径10 メートル、大きなものでは直径30メートルほどの輪をつくるのです。ぽっかり空い た輪の中心に、勇気ある若者が特大の爆竹(多分、違法)を投げ込みます。あっちでバンバン、こっちでバンバン。今度は酔いで顔を赤らめた大人達が、空になった酒瓶を嬌声とともに輪の中へ投げ込みます。

クラクションの音、爆竹の音、瓶が割れる音、人々の叫び声。時々パトカーのサイレンが聞こえたり、女性の悲鳴が聞こえたり、子供の泣き声が聞こえたりと、騒然としてきます。人々の笑顔がなければ、暴動が起きているのでは、と勘違いする程の騒ぎっぷりです。中にはピストルやライフルをぶっ放す人もいるそうです(” piazza ”の中ではありませんよ)。

そんな中、どこからともなく聞こえてくるのです。
“ Manca un minuto! ”(マンカ ウン ミヌート/あと1分!)
そうです、『その時』がいよいよやってきます。爆竹や空き瓶を投げていた人々も、一端手を休め時計に目をやります。最初はバラバラだったカウントも徐々に統一され、 そしてついに、
“ Dieci ! Nove! Otto! ”(ディエーチ ノーヴェ オット/10、9、8)
新年を迎えるカウントダウンもいよいよ大詰め。
“ Sette! Sei! Cinque! ”(セッテ セイ チンクエ/7、6、5)
ジャンプしながら、両手を振り上げながら、恋人同士目と目を見つめ合いながらカウ ントを進めます。
“ Quattro! Tre! Due! ”(クアットロ トレ ドゥーエ/4、3、2)
町中でクラクションが響き、興奮のボルテージは最高潮に。
“ Uno!!! Buon anno!!! ”(ウーノ ブォン アンノ/1、明けましておめでとう!)
花火が、爆竹が、クラクションが、シャンパンのコルクが飛ぶ音や空き瓶が割れる音が、そして人々の” Buon anno ”が新年を迎えたことを伝えます。  

以前もどこかで書いたと思いますが、イタリアでは積極性の無い人は置いて行かれてしまいます。日本では「こいつアホちゃうか?」と思われるくらい出しゃばりの方が、向こうではすんなり受け入れられる場合があります。  
ですから、もしみなさんがイタリアで、特に町の” piazza ”で新年を迎えるのであれば、思いっきり羽目を外してガンガン騒いじゃってください。「踊る阿呆に見る 阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」っていうじゃありませんか、ね!大丈夫。 みんな温かくあなたを仲間に入れてくれますよ。シャンパン2本(1本は投げるために、ね)と新しい年を楽しく迎えようという気持ちと、” Buon anno ”の一言さえ持っていれば。

“ Tante cose buone a tutti ”(タンテ コーゼ ブオーネ ア トゥッティ/みなさんに良いことが沢山ありますように)
amore e pace
zio