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<イタリアに短期留学するなら、アグリツーリズモがおすすめ!> (2004/09/23) <バックナンバー>

この夏、アグリツーリズモへの一人旅をしました。 場所は、ミラノから電車を乗り継いで約3時間半の「Bra(ブラ)」。スローフードの発祥の地として有名なところです。そこから、さらに車で15分ほどの「Vergne(ベルニェ)」という小さな町。ここは、Barolo(バローロ)という有名なワインの産地から3kmほど行ったところで360度全てを見まわしても葡萄畑。小高い丘や山の斜面を使って、日本の段々畑のように太陽をいっぱい浴びさせて、葡萄を育てています。作られている葡萄の種類は、BaroloやNebbioloが主流。辛口赤ワインの本場になります<写真1>。
 Vergneは農家がほとんど。各家の外壁に、農作業の様子を絵に表していることで有名です。昔から伝わるもっとも大変な農作業の1コマを絵に表して、農業の苦労と喜びを後世に残したいという思いが込められているそうです。この絵をたくさん見たいと思い、町中を散策しました。徒歩で見てまわっても約1時間弱。各家の家人は気持ちよく挨拶を交わしてくれました<写真2>。今回、宿としたのは、女主人Luciana(ルチアーナ)とご主人Franco(フランコ)が営むアグリツーリズモ<写真3>。娘のTiziana(ティジアーナ)は英語が堪能なので秘書をしています。
庭には、馬が3頭に犬が2匹飼われていて、犬たちは秋には山に入って貴重なトリュフを探し出すという優秀な特別犬です。夕食は宿泊についていませんが、一人旅で一人の食事は寂しかったので、お願いしてLucianaとFrancoと一緒に食べました。マンマが作るシンプルな家庭料理。全く気取らずに、家族の一員のように接してくれました。お料理はどれも、とっても美味しい。1つ1つ、作り方を聞くと大喜びでレシピを教えてくれました。しかし、おいしさの秘密は全て、「新鮮な素材」にあるといいます。庭で取れたトマト。今朝生まれた卵。収穫したての果物で作ったジャム・・・・。
夜のワインはもちろん、Francoお手製のワイン。葡萄の収穫、ワイン作り、ボトル詰め等、全て自分達でやっています。今は昔のように、「足で踏んで」ワイン作りをすることはなくなりましたが、自然のままボトル詰めしているとのことで、余計なものが全く入っていないせいか、いくら飲んでも悪酔いしません。葡萄そのものの味が口に広がって、かなり飲みました。無口なFrancoが、嬉しそうに「飲め飲め」と上機嫌に注いでくれました。
このワインの名前はもちろん「Vino di Franco」”フランコのワイン”です。
  一人旅ってなんだか寂しい?って昔は敬遠していました。でも、イタリアに来て、小さな田舎町を旅することにはまっています(うちのYORIさんもそうですね)。あえて、田舎を選ぶ。そして、その土地の人の生活や空気を自分のペースで楽しみます。アグリツーリズモは特に温かいですね。新しい親戚・家族が出来た、そんな気持ちになれます。普段は「いじわるな、いい加減なイタリア人!」と怒ってばかりだけど、旅の途中もなぜか、いい人たちばかりに出会います。
 イタリアに短期留学したい!という方にぜひアグリツーリズモをおすすめします。アメリカやイギリス、イタリアの中でもフィレンツェやローマと違って、ミラノは短期語学留学やホームステイというシステムがあまり浸透していません。その代わり、近くには素敵なアグリツーリズモがたくさんあります。語学はもちろん、お料理や文化、家庭の雰囲気も味わえます。 ちなみに今回の宿は、1泊一人部屋希望の場合、36ユーロ(朝食付)。夕食は希望すれば一人5ユーロ。食事中に飲んだワインはサービスで、お持ち帰りした「Vino di Franco」は1本4ユーロで譲ってくれました。収穫の秋は、どこのアグリツーリズモもきっと大賑わいでしょう。色々な国の人が「イタリアの家庭を味わう、自然に触れる」という同じ目的で集まるアグリツーリズモで、あなたもぜひイタリアに新しい親戚を作ってみてください。

<写真1>
日本とは違って、イタリアの葡萄は「棚」を作らないそうです。
<写真2>
ある外壁の絵。夜になっても農作業は続いていることを絵にしていました。
<写真3>
LucinanaとFranco。2人とも照れてしまってます。日本からのお客様は大歓迎だと言っていました。