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<13/Ottobre(10月)/2006> a Genova <2006年10月13日(金)>

本当は、ここ数年ほどずーっと行きたいと思ってました。イタリアの大きな港町って、海になじみのないところで育った私でもなぜか懐かしさと懐の広さを感じます。ルートや日程がうまく合わなかったりで延び延びになっていたのですが、今年7月に新しい世界遺産としてジェノヴァのある場所が登録されたというニュースを聞き、こりゃやっぱりこのタイミングで行くしかないべ、ということで、日帰りで行って参りました。

ミラノ中央駅から急行で1時間半の距離。途中車窓は濃霧に包まれ、眠りに誘われてる間に10時前にはジェノヴァ・プリンチペ駅に到着。まさに港町にふさわしい快晴で私のボルテージも一気にUP!

駅前のアクアヴェルデ広場の左手に、その人はいました。
”コロンブス”。イタリア語では”クリストフォーロ・コロンボ”。ジェノヴァ生まれとされているアメリカ大陸発見者。
航海探検家らしく、像の下の大きな土台は船首と船尾のようなものがつきささったデザインでちょっとユニークです。
正面の大通りのバルビ通りから、今回登録された世界遺産”レ・ストラーデ・ヌォーヴェ(Le Strade Nuove/新道)”が続きます。そして、通り沿いに建つ王宮や大学宮殿などは、世界遺産”パラッツィ・デイ・ロッリ(Palazzi dei Rolli/貴族の大邸宅群)”の一部。クルマの通行量が多すぎるのか、少々建物が汚れてますが......。バルビ通りの少し先にトンネルが見えると、その左手にフニコラーレ(ケーブルカー)乗り場があるのですが、それは後ほど。
トンネルの真上にも立派なパラッツォたちが建てられていて、ちょっとだけF1のモナコグランプリを思い出しました。(テレビで見ただけ)

▲トンネル手前を右折してすぐのカイローリ通りへ。こちらもレ・ストラーデ・ヌォーヴェの一部。そこから続くガリバルディ通りからは、一気にバロック様式らしい威厳のある雰囲気に包まれます。

▲ガリバルディ通りに入ってすぐ左手にあるのが、パラッツォ・ビアンコ(白の宮殿)。ほぼお向かいのパラッツォ・ロッソ(赤の宮殿)の赤い壁との対比がユニークです。いずれも現在は美術館として、16〜18世紀の絵画や調度品が展示されています。
▲16世紀から17世紀にかけてジェノヴァ共和国が金融業で繁栄したことで、富裕貴族層が豪華な宮殿や邸宅を次々と建て、それがまた更に厳選されて、国の来賓の宿泊先として登録されたとのこと。本当に、当時の栄光と繁栄がうかがえる迫力ある美しい通りです。パラッツォの入り口からは、小さいながらも美しい中庭が少しのぞけたりして、ほんの300mほどですがじっくり歩いて楽しみました。
一方で、旧市街はまた一気に雰囲気が変わります。細い細い路地が迷路のように続き、ナポリの旧市街さながらの洗濯物干しの光景が見られます。小さな個人商店が軒を連ね、大昔から続いているような息づかいに、ちょっと自分が場違いなところに迷い込んだような気になってしまいました。
旧市街をどうにか抜けると、大きな噴水を抱える巨大なフェッラーリ広場に出ます。ころころと表情が変わるその様子は、大きな港町に共通するところのように思います。ヴェネツィアはちょっとまた別だけど、パレルモもそうだったし、バーリもアンコーナもそう。でもやっぱりここはイタリア最大の港湾都市。スケールの大きさに加えてかくしゃくとした印象です。
▲こちらがジェノヴァのドゥオーモ、サン・ロレンツォ教会。私の大好きな、白と黒の大理石しましま模様のゴシック式。内部の豪華な装飾とステンドグラスにしばし見とれて.....。

▲教会内部の左手に宝物殿があり、キリストが最後の晩餐に使ったと言われる聖杯があるとのことで、興味津々で入ってみました。入場料は単独で5.5ユーロ(820円)。
暗い洞窟のような空間に足を踏み入れてすぐの小部屋に、ありました。それらしきものが。。
一瞬織部焼きかしら?と思うような美しいグリーンのその器は、どうもガラスのようです。一部割れて穴が開いていて、それが妙にリアル。でも、このような色カタチの聖杯が描かれた”最後の晩餐”は、今まで見たことがないので、半信半疑なもやもや状態。。他にも、ジェノヴァの守護聖人のお皿(右写真)や金の棺等が小部屋に分かれて展示されています。

▲せっかくジェノヴァに来たからには、やはり美味しい海幸をいただいて帰らねば!ということで、随分昔に雑誌フィガロで紹介されていたジェノヴァ名物的(らしい)リストランテに行ってみました。
笑顔たっぷりのカメリエーレに迎えられ、クラシックで清潔感あふれる店内に期待感も高まります。早速、メニューを開くと.......「・・・・・」。た、た、高い〜〜!アンティパスト(前菜)だけで最低でも20ユーロ(3,000円)!
気を取り直し、吟味した結果、スモークした魚のミスト(盛り合わせ)と、ジェノヴェーゼペーストのトロッフィエ(ショートパスタ)をオーダー。いやぁーー、んまかったーーっ。生でカルパッチョでいただくのも大好きですが、この”ちょっと”スモークが最高です。今書きながらヨダレ出そうです。トロッフィエも絶妙な塩加減で、ペーストもブォニッシモ!あーじあわぜーっ。
グラスワイン白とお水とカッフェで締めて.......サービス料なしで.....63ユーロ(9,450円)!!なんてぜいたくなランチ.....。。。ちょっとうろたえたのか、チップを置いてくるのを忘れました。。
でも味は申し分なし。それもそのはず、前ローマ法王やパバロッティなど多くのセレブが常連として訪れる一流店だそうで。
お店を出るとき、カメリエーレに呼び止められ、何かと思ってついていくと厨房から日本人の女の子が顔をのぞかせました。料理学校の実習の一環で来ているそうです。ぜひぜひこの秘伝のペーストを教わって、東京にお店出してネ!とは言わなかったけど、心の中でエールを送って来ました。
  Zeffirino
  Via XX Settembre , 20  (フェッラーリ広場を背にして9月20日通りを500mほど進んで、右手少し奥まったスペース    の2階に入り口があります) tel; 010-5705939

食い気ばかりでなんですが、今度はカフェを。
ジェノヴァの有名な旧いカフェとして色々なところで紹介されている”クライングティ”と”ロマネンゴ”を求めて旧市街の迷路の中を探し歩きました。やっと”ロマネンゴ”を見つけた!と思って、早速カッフェ・マッキャートとマロングラッセ、オレンジピールなどのドルチェをいただきました。やっぱり歴史が違うわね〜、美味しいわね〜とうれしくなって、会社のお土産用に包んでもらい、ご機嫌でお店を出ました。
ふと、お店を振り返って、写真撮〜ろうっとカメラを向け、お店の名前をよく見ると、”A.VEO.ROMANENGO”と書いてある。私が行きたかったのは、”ROMANENGO PIETRO FU STEFANO”なの。。
きゃーっっ、違うじゃん!がくっ。
それにしても、ややこしいぞ。美味しかったから許すけど。

▲最後のお楽しみに取っておいた、さきほどのフニコラーレ乗り場へ。洞窟みたいな車幅ぎりぎりの狭いトンネルを抜けると、そこは山の手の住宅街。頂上までは6駅もあって、それぞれにちゃんと町があり、このケーブルカーは町の人の重要な足となっているようです。終点RIGHI駅までは約10分。さすがに、ここは何にもなくて、左右に道が広がるのみ。

パノラマ、パノラマ......と展望ポイントを探し求め、少し坂をのぼってみると、お〜〜見えました。
逆光で眩しくて、ちょっと写りは悪いですが、かつては豪華客船が発着していたヴェッキオ港とその周囲の景色はなかなかです。よく言われているように、山と港が背中合わせでほんとに神戸のような趣です。まぁ、この場所で標高が300mしかないので、六甲山からの夜景の眺めにはほど遠いかも知れませんが、日暮れ時などは、きっととても素敵だと思われます。
約30分ほどの散策を終え、再びフニコラーレに乗って下山、駅に向かいます。
途中、行きとは違った道を通ろう♪と思って入った大通りから1本内側の路地。がらりと空気が変わり、薄暗くてとにかく狭くて、猥雑な雰囲気。。。場違いも甚だしくちょっと怖い。早々に大通りに戻りました。多分、移民の人たちが住む界隈ではないかと思います。
たった半日の滞在だけでは計り知れない、大っきくて誇り高くて、ちょっと謎めいた顔も持つ面白い町、でした。またゆっくりと訪れたいです。

18時にはミラノ駅に到着。すぐに明日のフィレンツェ行きの切符を買いにいくも、窓口も自販機も大混雑。(それでもミラノ駅の自販機は随分増えました)
やっと自分の番になって予約しようとしたら、既にセコンダクラッセ(2等車)は満席。あっちゃー。値段が倍のプリマクラッセ(1等車)にせざるを得ず。。あーあ、昨日買っておくのでした。

ランチと列車で予想外の出費をしたからというわけではないけど、今夜の夕食もパニーノとビール。好きね〜。
でも、お店毎にパンも具も味がそれぞれ違っていて、けっこうはまるのですよ、これが。

明日から、フィレンツェです。