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《 zio の La piccante vita 》 -SETTIMO-(2002/01/21)   <バックナンバー>
 
 Buon nuovo anno a tutti!
(ブオン ヌオーヴォ アンノ ア トゥッティ!/みなさん、あけましておめでとう!)
                              ※
 あらためまして、あけましておめでとうございます。
2002年です。イタリアを含むEC統一通貨加盟国にとって、とても意味深い年です。 そう、いよいよEURO(ユーロ)の流通が開始されました。

 おそらく、日本でもユーロ関連情報を耳にした方も多いと思います。流通が開始された元旦からの混乱ぶりもニュースになっていることでしょう。この混乱ぶりは、先日イタリアのとある郵便局で窓口に並んでいた多くの人たちが、ユーロにまごつく局員たちの作業の遅さに暴れ出し、警察が介入したほどです。
 新年になって1週間が過ぎた今でも、相変わらずレジではもたつく状況です。その原因のひとつにお店や窓口側の準備不足、客たちの認識不足があげられるでしょう。 そしてもう一つ混乱を生む大きな要因として、ユーロと旧貨幣であるリラが同時に流通していることです。これがかなりややこしい。
 たとえば、ユーロでお金を払い、レジの具合でもしかしたらユーロとリラが混ざったおつりをもらう可能性があったりします。もしくはリラでお金を払い、ユーロのおつりが来る。脳みそをフル稼働させてユーロ表示される金額をリラ換算している側から、リラとユーロが混ざった、しかも今までイタリアにはなかったCentesimo(チェンテージモ/100分の1:1ユーロは100チェンテージミ)という単位が出てきたり……
                              ※   
 愚痴っても仕方ないので、早速今回の本題へ入ります。
もちろんユーロ関連。I miei primi EURO(イ ミエイ プリーミ エウロ/最初のユーロ)の使い道についてです。
 2002年の元旦からユーロの流通が開始されたものの、僕が実際にユーロを手にしたのは1月4日でした。
それまでは手元に残っていたリラを使い、そしておつりもリラでもらっていました。手持ちのリラが少なくなったところで、銀行のATMへ行き現金をおろそうとしたら、画面に現れた金額表示が全てユーロになっていて驚いたのを覚えています。
 人間の習慣というのは恐ろしいもので、日本人である僕ですらリラによる価値感覚が養われていて、ユーロ表示になった画面をみながら頭の中で全てリラ換算してしまうのでした。1ユーロが今日本円で119円くらいでしょうか。だから、おおよその感覚をつかむには円換算する方がよっぽど簡単なのですが、そこをあえてリラ換算して、ひょっとかするとその後リラから円換算したりしてしまうんです。ややこしい、ああ、ややこしい、ややこしい。
 ATMでは、イタリアリラでだいたい30万リラくらいにあたる160ユーロをおろしました。まっさらなピン札。リラ紙幣よりも一回り大きいサイズ。ああ、これがマイ・ファースト・ユーロなのだ、と先ほどの混乱も忘れ、しばし感動に浸りました。

 さて、このまっさらなピン札ユーロを手にした僕は考えました。『この記念すべきファーストユーロは、何か意味ある使い方をされるべきだ』と。ただ闇雲に切り売りピザやタバコを買ってしまってはだめ。本当に欲しいものを買おう。そうだ、本当に欲しいもの。前からずっと欲しかったもの。欲しいもの、欲しいもの、欲しいもの… 「これぞ!」と思える欲しいものってなかなかないものですよね。で、しばらく考えた後、ついに見つけました。
「僕が今本当に欲しいもの=クルマ」

だからといってポンコツパンダ(フィアットの小型大衆車)じゃ嫌!ポルシェが欲しい!それもオープン。そうだ!ポルシェ・ボクスターSが欲しい!ああ、欲しい〜 ということで、早速僕は記念すべきマイ・ファースト・ユーロを握りしめクルマ屋さんへ向かいました。以下は、僕とクルマ屋さん(Aさん・仮称)の間で交わされた会話です。
                                  *
zio: "Buon giorno"(ブオン ジョルノ/こんにちは)
A: "Buon giorno a Lei e Buon anno"(ブオン ジョルノ ア レイ エ ブォナンノ/いらっしゃいませ。
あけましておめでとうございます)
zio: "Senta, sto cercando una Porsche Boxster nuova. Ce l'avete?"(センタ、スト チェルカンド ウーナ ポルシェ ボクスター ヌオーヴァ.チェラヴェーテ/すみません、新車のポルシェボクスターを探しているんですが、ありますか?)
A: "Eh...Si, un attimo vado a controllare"(エ…スィー、ウナッティモ ヴァード ア コントロッラーレ/あっハイ、少々お待ちください、今確認してきますから)
                               x x x
A: "Ecco a Lei, una Boxter"(エッコ ア レーイ、ウーナ ボクスター/こちらがボクスターになります)
zio: "Ma questa e' la versione 2.7 litri. Io vorrei quella Boxter S."(マ クエスタ エ ラ ヴェルシオーネ2.7リトリ。イオ ヴォレイ クエッラ ボクスター エッセ/あれ、これって2.7リットルのやつですよね。僕が欲しいのはボクスターSなんですけど)
A: "Ah! La S. Gliela porto subito"(アー、ラ エッセ。リエラ ポルト スービト/ああ、Sですか。今すぐお持ちします)
                               x x x
A: "Eoccola, la S"(エッコラ、ラ エッセ/こちらがSです)
zio: "Si, e' questa, e' proprio questa, il mio sogno"(スィー、エ クエスタ、エ プロープリオ クエスタ、イル ミオ ソーニョ/そうそう、これ。まさにこれですよ、僕の夢のクルマ)
A: "E' bella"(エ ベッラ/ステキですよね)
zio: "Anzi bellissima"(アンツィ ベッリッシマ/というか、ものすごくステキ)
A: "Si, si"(スィー、スィー/ええ、そうですね)
zio: "Quanto si paga per avere in mano questa bellezza"(クアント スィ パーガ ペル アヴェーレ イン マーノ クエスタ ベレェッツァ/いくらでこの絶品を手に入れられるのかな)
A: "In lire o in Euro"(イン リーレ オ イン エウロ/リラでですか、それともユーロで)
zio: "In Euro certamente"(イン エウロ チェルタメンテ/もちろんユーロで)
A: "Dunque, in Euro costa...54,233euro"(ドゥンクエ、イン エウロ コスタ…54,233エウロ/そうですね、ユーロだと5万4千2百3十3ユーロです)
zio: "Cinquantaquattromiladuecentotorentatreeuro..."(チンクワンタクワットロミラドゥエチェントトレンタトレエウロ/54,233ユーロ…)
A: "Si"(スィー/ハイ)
zio: "OK! La prendo"(OK!ラ プレンド/OK、じゃあそれください)
A: "Grazie. Allora Gliela preparo subito"(グラツィエ。アッローラ リエラ プレパーロ スビト/ありがとうございます。それでは早速準備しますね)
zio: "Bene bene"(ベーネ、ベーネ/よっしゃ、よっしゃ)

                               ※

 こうして、僕はこの記念すべき『マイ・ファースト・ユーロ』で夢にまで見たポルシェ・ボクスターSを手に入れたわけです。 ちなみに、これが僕のボクスターSの写真です。どうですか、かっこいいでしょ。


いや〜本当に夢のようです。本当に。いや、これは夢なのか。
えっ!?